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「――――ッ!!」 今度こそ飛鳥を捉えたかと思ったが、またしても手応えは無かった。 私の目の前にあるのは、外皮がコクリートが深々と抉り取られ、内部の鉄筋が露出している電柱だけだ。 それに此方の切先が命中する寸前に視界が白煙によって遮られ、現在もその煙は晴れずに、しかもレーダーが妨害されて電子的な索敵が行えなくなっている。恐らくスモーク弾とチャフを併用してバラ撒きつつ離脱したのだろう。 「子供だましを……」 急速上昇して効果範囲から離脱し、再度レーダーで飛鳥の機影を探す。陸戦ならまだしも、3次元空間を比較的自由に動ける空戦でスモークを焚いた所で一種の目くらまし程度にしかならないのは明白だ。 「……ちっ」 だがレーダーでは中々相手の機影を捉えきれない。恐らくはその運動性を生かして住宅の敷地内などを縫うように低空飛行しているのだろう。 しかし飛鳥型は最大速度では此方に大きく劣る上に、そのような飛行をしていては、この短時間に此方との距離を大きく取る事は出来まい。それに最初の逃走方向から大雑把な目的方向は予測できる。 「一瞬を見逃さずに……」 システムメモリの大半を目視を中心とする索敵に割り振り、鋭く目を配らせる。 ジリジリと時間だけが経過し焦りが募るが、このまま諦めてしまうわけには絶対にいかない。あんな破廉恥な物が私の手の届かない所に存在してしまうという事自体が大問題だ。更にもしもインターネット等に一度流出してしまったならばその回収・隠滅は不可能になり、私の人生は汚名に満たされた一生になってしまうだろう。 いや、私自身だけならまだしも、アキラまで汚名を被る羽目になったなら……私は…… 「――ヤツを絶対に、逃がしてたまるかッ」 一刻も早くヤツを発見する為に焦る怒りをねじ伏せ、ギリ、と唇を強く噛み締める。アドレナリンからの影響なのか、それとも屈辱からなのか、口の中に苦い味が広がり私を一層不快にさせる。 行幸と言うべきだろう。その時、民家の軒下を潜るように疾走していく飛鳥の姿が、私の目に飛び込んできた。 だが次の瞬間、ヤツの影はとある家屋に吸い込まれるようにして消えてしまった。そこは1区画まるごと1つの家になっているらしい、複数の平屋式日本家屋と多くの深緑が広がる、広大な邸宅だ。 そして上空で監視する事、数分。ヤツの姿は、何処からも出てこない。 「……つまり、あそこが本宅か」 ニヤリと、口端が浮き上がるのがわかる。 「――――フ、フフフフフフフフ」 ゆっくりとした動作で、先程磨耗したパイルバンカーに装填し、体制を整える。コキコキと指先が鳴り、アドレナリンが沸騰してくる。 「ブラッディィィ……ブレイクッ!!!!!」 飛鳥が消えた家屋の直上から、瓦を吹き飛ばし、木材を圧し折り、板を粉砕し、100万ボルトの稲妻のように突き抜ける! 「出て来い!…………跡形も残さず――破壊してあげるから」 もうすぐあの飛鳥を粉砕できるかと思うと、私の全身を禁断の果実を食したかのような高揚感が、ゾクゾクと駆け抜ける。 バラバラと粉砕された木材が散乱し煙が舞い上がる中、私はヤツの姿を追い求める。 「あら……。これはこれは、ごきげんよう。招かれざるお客様」 「ッ!?」 後ろからの突然の声に、反射的に振り向く。だが其処に居たのは飛鳥型の姿ではなく、こんな状況でありながら余裕を湛えた微笑を浮かべる、和装をした長い黒髪を持つ少女の姿だった。 ~ネメシスの憂鬱・ファイルⅩⅢ~ 「嗚呼これは失礼を。招かれざるお客様に対しても礼儀を尽くしませんと。 わたくしの名は『黒姫 鈴乃』。以後お見知り置きを」 そう一方的に名乗ると、優雅な動きで一礼する少女。 「しかしあいにくと、貴方には招待状は出してございませんの。 今なら何もなかったことにして差し上げますゆえ、お引取りを願えますかしら?」 微笑を浮かべたまま、氷のような瞳で見つめてくる少女。ただ佇んでいるだけなのに、その蒼い瞳からは凄まじい威圧感を感じる。 「――そんな物は関係ない。 私はただ此処に逃げ込んだ飛鳥型神姫の持つ、マイクロチップとデータを引き渡して欲しいだけだ」 だが……此処で怯む訳にはいかない。 「あら、そんな小鳥はここには居ませんわ。それとも此処に逃げ込んだという、確かな証拠でもありまして?」 「ずっと上空で監視していた。それにレーダーのログもある。これでは不足か?」 「えぇ、不足ですわね。 ログと言っても貴方の頭の中にある情報でしょう。貴方ご自身で改竄されてないとも限りませんからね。いきなり天井を突き破っておいでになられるような無粋な方など、とても信用出来ませんわ」 その飄々とした喋りに、私は不快感で一杯になる。だがその彼女の話し方は、私により以上の確信を抱かせる。この話の展開の仕方……いや、この話の逸らせ方はあの飛鳥と酷似している。 「――――埒が開かないようだ。此方は此処しか情報が無いし、貴方には真実を語ってくれる気は無いようだ」 「えぇ、そうですわね。それで、貴方はどうなさるおつもり?」 「……ならば、力ずくで探させて貰う!!!」 まずは邪魔な彼女を排除する為、翼下のハードポイントにセットされたスタングレネードをまとめて発射する。直撃すればスタンガンと同じように高圧電流が駆け抜け、たちどころに行動の自由を奪うだろう。 「――フ」 だが彼女は逃げる動き1つしないどころか、不適な笑みさえ浮かべながらその場に立っている。 「なにっ!?」 その理由はすぐに判明した。飛翔するグレネード弾が彼女に命中する寸前で全て爆発してしまったのだ。 そして次の瞬間には、側面方向から私へ向けて複数の銃弾が襲い掛かってくる。 「しまっ!?」 ギリギリの所で滑るように回避マニューバを行い、殆どの弾丸は回避したものの、1発が『レネット』の装甲に当たって1次装甲を突き破られてしまった。 「お嬢様には、指一本触れさせない」 「チッ……」 回避する為に気を逸らした隙に移動したのだろう。少女を守るようにその前に佇み浮遊する、1人の神姫の姿がある。 その神姫……顔からムルメルティア型と判断できる……は、自らの身長よりも長い大型の狙撃銃を持ち、足首からは光の翼のようなフライヤーフィンが煌めき羽ばたく様に展開している。恐らくはそれで浮遊をしているのだろう。 「先程のはサービスです。次は全て命中させてみせます」 だが面妖にも、その神姫は何故かロングドレスのメイド服を着こみ、頭にはご丁寧にカチューシャまで着けている。殺気に満ちた表情とは対照的でいささか困惑してしまう。 尤もそれが目的でそのような姿をしているのであれば、此方も油断するわけにはいかない。何しろ比較的低速とはいえ飛翔するグレネード弾を全て撃ち落したのだ。少なくとも、射撃の腕に関しては非凡といわざるをえない。 「アガサ、や~っておしまい」 「お嬢様、そのセンスは古いです……」 30年以上前の国民的?アニメのセリフに少し困惑した様子をみせながらも、両手で抱えるように所持していた実弾式大型ライフルをゆっくりと威嚇するようにしながら此方へ向け、構える。 「二度目は……ありません」 「く……っ」 狭い室内、しかも正面から向かい合っていている状況下では、此方の高速装備ではかなりの不利は免れない。 ジリジリと間合いを計るように後退し、反撃の隙を狙おうとした、その時。 「――お姉様の凛々しいお顔と、ネメシスちゃんのボンテージ姿、同一カットでゲットですわー♪」 パシャリと光を浴びせかけられ、同時に緊張感で水を打つように静かだった空間に、パシャリと無思慮なシャッター音が木霊する。そしてシャッター音とフラッシュの光源の元に居たのは…… 「そ、そこの飛鳥ぁっ!!!」 「……あ゛!」 急いで物陰に隠れようとするが、急旋回が祟ってゴンと家の柱にぶつかり、そのままみっともなくずるずると滑るように落下してゆく。 「……居たが?」 ギギギ、と軋む首を鈴乃とアガサ、2人の方へ恨みがましく向ける。 「あら、何か居ましたわね。でも余所の子でなくって?」 「そ、そんな酷いですわっ。鈴乃お嬢様ぁ!?緋夜子(ひよこ)は、身も心も鈴乃お嬢様の神姫ですのにっ」 視線の先には先程から表情の変わらない鈴乃と、こめかみに手を当てて頭を抱えた様子のアガサの姿があった。 「……どうやら、馬脚を現したようだ。今度は逃がさん――――フ、フフフフフ」 ペキペキと指が鳴る。ヤツの頭部を粉砕するだけでは飽き足らない。さぁ……どう料理してくれようか。 「――――待ちなさい。私が相手だと言った筈です」 すぅっと空中を滑るように、私と飛鳥型……緋夜子と言ったか……の間に割り込んでくるアガサ。 「邪魔をするなメイド。――この位置なら、一緒に葬ってやる」 LC3レーザーライフルの出力ゲージをMAXにセットし、照準を2人に向けて合わせる。先程は人間を巻き込み殺傷する可能性がある以上、最高出力はプロテクトにより発射出来なかったが、今度は違う。最高出力で2人まとめて吹き飛ばしてやろう。 「どうぞお撃ちなさい。でも、『ネメシス』ちゃん?。可愛い神姫が暴走神姫として廃棄処分になったら……『アキラちゃん』でしたっけ。とてもとても悲しむでしょうねえ……ふふふ」 「なっ!?」 その名前を聞いた瞬間、ピタリと2人を捉えていた照準が、AIの、身体制御の異常によって激しくブレる。心臓に無形の槍を突き立てられ、抉りまわされているかのようだ。 「貴様……自らの神姫を犠牲にしてまで、私を貶めようとするのかっ!?」 「あら、先に仕掛けたのは貴方。それに貴方の求める物を、まだ緋夜子が持っているとは限らなくてよ?」 和装の袖で口元を隠し、くすくすと笑う鈴乃。ヤツは人を貶める事を、心底面白がっている…… 「さぁ、貴方はどう動くのかしら。楽しみねぇ」 ヤツの言葉はブラフかもしれない。今撃てばデータを消し去れる可能性は、半分はある。 だが今、ヤツは私とアキラの名前を出した。特に公式試合にはリングネームで出場しているアキラの名前を知っているという事は、私たちの身元を多かれ少なかれ把握しているという事に他ならない。 「………ッ」 ギリ!、と皮膜が破れオイルが滴るほど、この手を強く握り締める。 「――――何のつもり、かしら?」 私はゆっくりと下降して地面に降り立ち、武器を捨て去り、その身ひとつで、土下座をしていた。 「――私はどうなっても、構わない。殺してくれても、いい。 だから……だから、アキラだけには……手を出さないでくれ……!」 深々と地面に頭を擦りつけながら、憎しみと恥辱と敗北感でオーバーヒートしそうな思考の中、搾り出すような声で懇願をする。 悔しさと情けなさで、涙が止まらない。だが今の私には、こんなことしか残された手段がないのだ…… 「……しょうがないわねぇ」 その鈴乃の今までと明らかに違う軽い口調に、思わず顔を上げる。そこには、くっくっと愉快そうに笑う鈴乃の姿があった。 「私も鬼ではありませんから。そこまで貴方が懇願するのなら、チャンスを差し上げましょう。 見事チャンスをモノに出来たのならば、データは消去しましてよ。そして――失敗したならば、貴方の言うとおりにすると致しましょう」 「…………有難う。――チャンス、とは?」 本来被害者である私の方が、有難うなどと言わざるを得ない、この屈辱。だが屈辱に耐えなければ、私たちの未来は永劫に暗黒の光に覆われてしまうだろう。 「私の神姫と戦い、勝ちなさい。 貴方に真に守るべき者と信念があるのならば、例えその身を滅してでも、自らの力量を以って道を切り開きなさい」 「――――承知」 再び大空を見上げるようにその顔を力強く上げ、地獄の業火の熱さを持つ灯火の宿った瞳が、鈴乃の凍てつく瞳とその視線が交差する。 「――――良い表情ね。それこそ武装神姫の顔だわ」 「当然だ。――――私は……アキラの誇るべき、武装神姫だ」 立ち上がるんだ。自らの足で、自らの力で。自分の汚名を、自分自身で晴らす為に。 「所で、その格好なんだけど……私は構いませんが、着替えた方が宜しいのではなくて?」 再びその表情を崩す鈴乃。今度は何か失笑を抑えきれないような、いや既にこらえきれずに笑い出している。 「……? 一体何……を……ををを!?!? 」 その姿は、エルゴの店内で診断を受けていたときの姿のまま……SMチックなエナメルボンテージの衣装のままだったのだ。しかも髪も衣装にも精液がこびりついて、一部は既に乾燥してカピカピになり始めている有様。 更に今の今まで気づかずに、この恥辱にまみれた格好で街中を滑走し、緋夜子を追いかけ、鈴乃相手にタンカをきっていたのだ。 「……きゅぅ」 そう思考が現実に追いついた瞬間、私の羞恥心はその限界を一瞬で突き破り、気を失った。 Web拍手! 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コメントログ3 はじめまして、にゅうと申します。深み填りを一章から外伝まで読ませていただきました。蒼貴が章が進む毎に成長していき、第一章の自信無さげな雰囲気が無くなっていくあたり、読んでいて上手いと思いました。武装神姫を知ったのがもうバトルロンドが終了決定した後だったので現在はバトルマスターズをプレイしていますが脳内で妄想が溢れ返っておりこんな風に文章に出来る方たちがうらやましいですね。外伝終了してから今度は新章になるのか分かりませんがどんな形であれ楽しみにしています。 -- にゅう (2011-07-30 22 25 12) にゅうさん> こちらこそ初めまして。この『深み填りと這上姫』を書いている夜虹です。感想をありがとうございます。 この物語は蒼貴と紫貴の成長物語なのでそういった感想が聞けて何よりです。蒼貴はオーナーを得て、技や装備、相棒と友達を少しずつ得ていく事でそれを表現してみました。 ここには書いてみようと頑張っている人もいるので、にゅうさんも妄想があるのでしたらまずは実践してみるといいと思いますよ。何事も回数を重ねてこそですしね。 外伝が終わって、その中でやってみた事が何とか形になってきたので、次章ではそれを実践してみようと思います。期待に応えられるよう頑張ります。 -- 夜虹 (2011-08-01 13 11 55) 夜虹さんがこんな面白いものを書いていたなんて知りませんでした、これからも読ませていただきますね^^ -- 竹 (2011-08-19 00 55 24) 竹さん> 読んで頂きありがとうございます。 非常に長い文章になっているとは思いますが、読んでいただければ幸いです。 僕も感想を励みに今後の神姫小説を頑張っていこうと思います。 -- 夜虹 (2011-08-20 00 25 42) 初めまして、クロムという者です。 最初から外伝まで読ませて頂きましたが、読んで行く内に物語に、そして登場するキャラ達に引き込まれとても面白くて読む手が止まりませんでした! いきなり出てきてアレですが、これからも楽しみにしておりますので無理せずに頑張ってください。 そして、恐縮ですがもし宜しければこちらの作品の設定を、自分の作品にも使いたいと思っているのですが宜しいでしょうか? 長々と長文、失礼いたしました。 -- クロム (2011-09-04 01 36 01) >クロムさん こちらこそ初めまして。作者の夜虹です。 最初から外伝まで読んで頂き、ありがとうございます。一人一人、 楽しく読んでいただけて光栄です。期待に応えられる執筆していきたいと思います。 作品の設定に関しては上の方に書いてある通り、コラボ可能となっており、 設定もキャラも使用可能ですのでどうぞお使いくださいませ。 クロムさんの作品を楽しみにしております。 -- 夜虹 (2011-09-05 05 36 53) 桐皮町にいらして下さったようで、ありがとうございます。真那ちゃんも尊くんも、機会があればお酒飲みに来て下さい(笑)! -- ばるかん (2011-09-12 22 21 27) 新章読ませていただきました。技術面でも精神面でも蒼貴、紫貴共に確実に成長していますね。これから話がどう進んでいくのか楽しみにしています。 -- にゅう (2011-09-14 12 56 18) ばるかんさん> こちらこそ、武装食堂を設定をお借りしています。ありがとうございます 武装食堂のキャラの性格を上手く引き出せるように頑張ります。 食堂は五話で出していましたねw ビールのほかにも何かありそうな予感がしますw 特に真那は色々とのむでしょうね……w にゅうさん> 読んで頂きありがとうございます。 武装が無い分、それらが磨かれていく事になりますね。 第一章の「知恵と勇気で何とかする」という考えは変わらない訳です。 それ以上に尊の精神面の強さが彼女達をここまで引っ張るのが大きいですね。 今後もその成長を上手く描き、期待に応えられるよう、頑張っていこうと思います -- 夜虹 (2011-09-16 20 14 23) 久しぶりに紙媒体で読みたく成る程面白いです。 紫貴と蒼貴が二人共可愛過ぎる!! これからも頑張ってくださいm(_ _)m -- 焦げかぼちゃ (2012-04-04 23 57 57) >焦げかぼちゃさん こんにちは。作者の夜虹です。紙媒体で読みたいとまで言っていただけて光栄の限りです。 社会人になって更新のペースがだいぶ落ちてしまいますが、今後も蒼貴と紫貴の活躍を見ていただければと思います。 次の尊と真那の決着もまた、お楽しみにしていただければ幸いです。 -- 夜虹 (2012-04-08 11 14 01) 最新話、待ってました! 前話のバトルの決着もとてもよかったのですが、尊と真那のその後がとても気になっていたので、すぐに読ませていただきました(^^) 落ち着くところに落ち着いたようで、よかったですねぇ、尊くん(笑) 私も社会人なので、執筆時間の捻出には苦労しています。今後の展開も楽しみにしておりますので、お互いに頑張りましょう! -- トミすけ (2012-04-24 22 45 06) >トミすけさん 待っていていただけて何よりです。 ミコちゃんはついにやりましたね。たぶんこれからも真那に振り回される日が続くことでしょうw 公開告白をしてしまったのでもう逃げられませんしねw お互い、社会人で苦労しますな。僕もトミすけさんの今後の小説の展開を楽しみにしております。 今後もまた、頑張りましょう。より良い物語を書ける様に -- 夜虹 (2012-04-28 15 18 25) 最初は尊くんはヲタ嫌いならなんで神姫やるんだ…と思いましたが、読み続けるに連れて好感度がぐんぐん上がってましたw 凄く面白いです!応援してます! -- 名無しさん (2012-05-18 10 37 15) 久々に来たら最新話出とるし 久々に爆発して欲しくないカップル出来とるWW -- 焦げかぼちゃ (2012-05-21 21 08 54) 名無しさん> ありがとうございます。応援にこたえられるように頑張っていこうと思います。 偶然が重なって深みに填る事となる人ですからね。そこから色々と広がるのがミコちゃんです(ぉぃ 今後もまた、お楽しみにしていただければと思います。 焦げかぼちゃさん> お久しぶりです。爆発して欲しくないカップルと言っていただけるのは光栄の限りです。 この二人はこの先、どういう付き合い方をするのか……w -- 夜虹 (2012-05-23 03 03 32) 戻る
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デザイナー 声優 神姫解説 性格セリフ一覧 親密度○時イベントのオーナーの呼び方 神姫ハウス内コミュニケーション ステータス情報 覚えるパッシブスキル一覧 神姫固有武器補正 神姫考察 総評・運用 神姫攻略法 お迎え方 アップデート履歴 コメント デザイナー CHOCO(イグナクロス零号駅、ゼノサーガ等) 声優 高垣彩陽(D.C.II 〜ダ・カーポII〜:朝倉音姫、雪音クリス:戦姫絶唱シンフォギアシリーズ、機動戦士ガンダム00:フェルト・グレイス、他) 神姫解説 バイオリンをモチーフとした神姫。名前の由来はヴァイオリンの素材で本機にも使用されている木材の名前にちなんだもの。楽器の演奏やチューニング機能を有しており、バトルにおいては音波を利用して対戦相手のメカセッティングを狂わせる戦法を得意としている。バトル以外ではベッドサイドの常夜灯として用いられ、安眠用の曲を演奏してマスターの快眠の手助けをすることも可能だ。 名称:ヴァイオリン型紗羅檀(ゔぁいおりんがた・しゃらたん) メーカー 素体:AVANT PHYSIQUE 武装:AVANT PHYSIQUE 型番:APG14 フィギュア発売:2010年9月30日 主な武装:ボウナイフ:リジル(ヴァイオリン用の弓。何故かバトマスでは投擲武器扱いであり、本作でも踏襲されている) ボウソード:ノートゥング(チェロ用の弓。当然だが片手斬撃武器) エレキヴァイオリン:グラニヴァリウス(左腕素体と換装するヴァイオリンのパーツ。本作ではプリコシャスシーバルとの組み合わせ装備として実装) エレキチェロ:スレイプニティ(左脚素体と換装するチェロのパーツ。本作ではアースクェイカーとの組み合わせ装備として実装) アヴァントスーパーツィーター(頭部武装。本作では例によって通常形態とオリジナル形態が存在) ローズチェスト+fホールドドレス[A](胸部武装。本作では更にワルハラ、ユグドラシル[A]および[B]との組み合わせ装備が存在) ローズチェスト+fホールドドレス[B](胸部武装。本作では更にウーファーホーンとの組み合わせ装備が存在) プリコシャスシーパル(腕部武装。本作では更にグラニヴァリウスとの組み合わせ装備が存在) アースクェイカー(脚部武装。本作では更にスレイプニティ、ガーターブレード、ガーターブレード+ノートウィングとの組み合わせ装備が存在) ※純正装備にない下手持ちヘビーガンが本作にて得意武器に設定されているのは、重たいチェロパーツを持ち歩けるためか。 愛称「しゃら」。武装神姫第11弾になるはずだった第12弾。 その発表から発売までの2年にわたる遅延の経緯と、本作における「カードゲーマー」誌での告知以降の半年にわたる実装の遅延に関しては、同期ことベイビーラズの項も参照。 + ちなみにこの「第12弾組」は、武装神姫最後の「新製フルセット神姫」でもある。 ちなみにこの「第12弾組」は、武装神姫最後の「新製フルセット神姫」でもある。 彼女達の後に出たフルセット神姫たちは、全て過去に世に出た神姫たちのリデコ/リカラー品で、新作にしても実質的ボリュームはライトアーマー級相当に留められてしまった。 言葉を変えれば、Mk.2ズやアルト姉妹、そしてこの第12弾組が相次いで発売された2010年こそが、フィギュアコンテンツとしての武装神姫にとって事実上「最後の輝き」だった事になる。 それ以後、武装神姫のような完成品アクションフィギュアは生産コストを始めとする諸問題から明らかに退潮し、時代の趨勢は「組み立てをユーザー側に委ねる」形でコストをより軽減したフレームアームズ・ガールやメガミデバイス等といった、所謂「ガールズプラモデル」へと移行して行ったのだった…。 ハンドメイド高級スピーカーメーカーと楽器メーカーとの合併によって出来たAVANT PHYSIQUE(アヴァンフィジーク)により、楽器/スピーカー用フルオートチューニングロボットと、自動演奏ロボットの技術を応用して2040年に開発された神姫、という設定。 本機の名称「紗羅檀」とは、元々ヴァイオリンの素材用に品種改良された木材の名前。この木は大木には育たない品種だったので、本来想定された目的たる人間用の楽器としては使用できなかったが、MMSのサイズには適合していたため本機の材料として採用されたという経緯がある。 楽器の演奏、音波を用いた楽器、スピーカーのチューニングという機能が特徴で、バトルにおいてはこの音波を利用した攻撃で、対戦相手のメカセッティングを狂わせる戦法を得意としている(が、当然ながら従来作ではほぼ再現されていない)。 その一方でベッドサイドの常夜灯として用いられる事も想定されており、その場合は仄かな明かりを灯しながら安眠用の曲を演奏してマスターを快い眠りに導く事ができるという。相方と対を成す粋な設定だ。 その武装はフルセット神姫に標準で付属のスタンドベースと組み合わせてチェロ型大型武装とする事が出来、更に最大の目玉たる発光ギミックを組み込む事が出来る。 このギミックは、第12弾組が初にして唯一の採用例。そのため、他のフルセット神姫達に比べてもいささか割高となっており、後述する理由も相俟って中古市場では超絶プレ値神姫となってしまっている。 ギターピック型キーを差し込むと点灯し、更に回すと点滅するが、そのパターンはベイビーラズとは作り分けられており、赤い光を柔らかく点滅させるというもの。 また、これもベイビーラズと共通する特徴なのだが、Nakedのレベルとまではいかずとも素体の露出度が高い(上に、彼女の場合は下腹部に音符を模したタトゥーが入っている)ため、胴装備とスカートを装着された状態でパッケージに収められている。 そのためか、布服オーナーの率も割と高め。 CHOCO神姫の常だが、この神姫もまたベイビーラズ同様、取り扱いにとりわけ注意が必要である。 というのも今回は、経年劣化に弱く割れ易いクリアパーツ(特に発光ギミック起動用となるヴァイオリンのヘッド型キー)の採用に加え、コード周り(特にコネクター)も小さく脆弱なため。 ただし、ベイビーラズに比べるとTall素体である事、また頭部の武装も小さめである事から、素体そのものの破損リスクは相対的に減ってはいる(とはいえ、1st神姫ほどの頑丈さはないので油断しない事)。 公式媒体ではバトロン、バトマス及びMk.2(専用シナリオは後者のみ)そして「BATTLE COMMUNICATION」に実装。発売時期が遅かったため各種コミックには登場せず、アニメでもモブ扱いであった。 前述した告知から実装までの遅れについても相方に同じだが、ご覧の通り此方の方が相方に遅れる事約2ヶ月となってしまったため、その間の実機オーナー層の焦燥ぶりは察するに余りあるものだった…。 ちなみにその後、2024年のパチスロ版にも相方共々登場を果たした。 性格 基本性格設定は上品でマスターの事を純粋に信頼しているが、反面やや世間知らずなところもあり、無自覚ながら対戦相手に不快感を抱かせる恐れもある。まさかのイーダとのキャラ被り なおバトマスMk.2におけるプレイヤー保有の個体は、「自分こそが『紗羅檀型のオリジナル』であり、他の同型は全て自分を元にしたレプリカ」だと思い込んでいた。 同作では彼女を扱うライバル達の人格面に揃って難ありな点がプレイヤー達の涙(と怒り)を誘ったものだが、せめて本作でのマスター諸氏は良きマスターとして接してあげて欲しい。 セリフ一覧 + 美しい音色に酔いしれなさい! ログイン時 通常(朝) おはよう。なんだかまだ眠そうね。お目覚めの一曲は何がいいかしら。 おはよう。今日も一日、頑張っていきましょうね。 通常(昼) こんにちは。お食事は済んだかしら。お昼も頑張っていきましょうね。 ごきげんよう。バトルが終わったら、二人でデュエットでもどうかしら? 通常(夕) こんにちは。もう調弦は済んでるわ。さあ、演奏を…。ああ、先にバトルね。 おかえりなさい。調子はいかが?では、何から始めましょうか。 通常(夜) こんばんわ。夜も更けてきたわね。さあ、楽しんでいきましょう♪ おかえりなさい。バトルと楽器、どちらの練習から始めるのかしら? 通常(深夜) おかえりなさい。夜通し練習なんて素晴らしいわね。私も、隣で演奏してもいいかしら? こんばんは。夜遅くまで頑張ってるのね。では、何をしましょうか? 年始 あけましておめでとうございます!美しい音楽を聴いて、運気を上げていきましょうね♪ バレンタイン はい。こちら、手作りチョコをどうぞ。ん?あ、私じゃなくて、一流のショコラティエが作ったんですのよ。 ホワイトデー あら!これは、バレンタインのお返しですのね。まぁ~、素敵なプレゼント~!さぞかしお高かったんでしょうねえ。 エイプリルフール ゴールデンウィーク 夏季 暑くなってきましたわね。こんな時は、避暑地にでも赴いて、涼しい日々を過ごしましょう♪ 水着キャンペーン ただいま、期間限定イベント開催中ですよ。特別に、水着を着てバトルするみたいなので、期待なさってくださいね。 七夕 ハロウィン まぁ!町中にお化けが溢れてますけど、この世の終わりなのかしら…え、ハロウィンの、仮装?も、もちろん、そんな事、分かってましてよ! 冬季 寒くなってきましたわね。暖炉の火を見ながら、ゆっくり過ごすのも、優雅なひと時ですわよ♪ クリスマス メリークリスマス。せ、せっかくですから、今日は…二人っきりで演奏会なんて…いかが、かしら。 神姫の発売日 オーナーの誕生日 お誕生日ですわね。おめでとう!今日は、ホールを貸し切って、盛大な演奏会でお祝いしましょうね。 神姫ハウス 命名時 なかなかいいセンスをお持ちですね。では今後ともよろしくね。 呼び方変更 ねぇ、○○(呼び方)。呼び方変えてみない?ただの気まぐれよ。 (→決定後) ○○(呼び方)ね。別に構いませんけど。 レベルアップ時 また一つ、強くなったようですわ。ほめて下さっても、いいんですよ♪ レベルアップ後の会話 レベルアップしましたわ。演奏も上達したかしら?うふふっ♪ レベルアップしましたわ♪これも○○(呼び方)のおかげかしら。 MVP獲得 私がMVPに選ばれたようですわ!私、どうしてこんなに強いのかしら…他の神姫たちに申し訳ないわ。 3連勝後 3連勝ですわ!この勝利は、○○(呼び方)のおかげ…私、本当にそう思っているのよ。 3連敗後 三連敗なんて信じられませんわ… ごめんなさい…少し調子が悪かったんです…本当よ。 専用スキル解放時 ○○(呼び方)!私の専用スキルが解禁されたようですよ!早速使ってみましょう♪ 親密度Lv5後 ○○(呼び方)と過ごして暫く経ちますが、日ごろの感謝を込めて何かしてあげたいですわね。何がいいかしら… 親密度Lv10後 ○○(呼び方)が喜ぶことをして差し上げたいですわね…そうだわ!演奏会をしましょう!マスターのために心を込めて演奏しますわ♪ 親密度Lv20後 ○○(呼び方)が喜ぶような曲を演奏したいですわ!どんな曲がいいかしら…気持ちを伝えられるような曲がいいですわね♪ 親密度Lv30後 ○○(呼び方)へ送る曲のイメージがわきませんわね…甘いものでも食べてインスピレーションを高めましょう♪ 親密度Lv40後 ○○(呼び方)に送る曲…ベイビーラズに相談しましたが…「ロックンロールでクールにキメてやろうじゃん!」って、ロックは違う気がしますのよね。 親密度Lv50後 ○○(呼び方)へ送る曲…決めましたわ! そうと決まればさっそく○○(呼び名)への招待状を書きましょう! うふふっ、まるでラブレターみたいですわね♪ 親密度Lv60後 ○○(呼び方)へ招待状をお渡しましたがドキドキしましたわ…あとは当日まで練習あるのみですわね! 親密度Lv70後 ついに演奏会当日…今日は素敵な演奏を○○(呼び方)へ捧げられるよう頑張りますわ! 親密度Lv80後 ○○(呼び方)、今日は私の演奏会へお越しいただき、ありがとうございますわ!ぜひ楽しんでくださいね♪ 親密度Lv90後(ランダム) ○○(呼び方)、私の気持ちを込めてこの曲を捧げますわ…曲のテーマは永遠の愛ですわ! 親密度Lv90後(ランダム) ○○(呼び方)、私の熱い気持ちをこの歌に込めますわ!!ロックンロール!! 親密度Lv100後 ○○(呼び方)、私の演奏どうだったでしょうか?気持ちが伝わりましたか?うふふっ、今後ともよろしくお願いしますね♪ 親愛度Lv1~19限定 はい、何ですか? 親愛度Lv20~39限定 ○○(呼び方)、バトルばかりではなくたまにはゆっくりしませんこと? 親愛度Lv40~59限定 ○○(呼び方)はどんな音楽を好んで聴かれるのかしら?興味がありますわね。 親愛度Lv60~79限定 ○○(呼び方)といると心が落ち着く気がしますわ。○○(呼び名)も同じ気持ちかしら? 親愛度Lv80以上 ○○(呼び方)、私、○○(呼び名)の為に気持ちを込めて演奏しますわ。聴いていただけますでしょうか? 頭タッチ(親密度0~19) やめてください!女性の髪をいきなり触るなんて。 (親密度20~39) 私の頭を触るなんて、ダメに決まっているでしょう。 (親密度40~59) あら、なんですか? (親密度60~79) いきなり頭を触られて、怒らなくちゃいけないのかもしれないけど…○○(呼び名)ならいいわ… (親密度80~) ○○(呼び方)…なでるのが上手ね。もっと撫でることを許してあげるわ… 胸タッチ(親密度0~19) い、いやっ! ○○(呼び方)の人柄が分かった気がします。 (親密度20~39) ○○(呼び方)! 失礼な方ですね。触らないでくださるかしら? (親密度40~59) きゃっ! ○○(呼び方)…高尚な趣味をお持ちなんですね。 (親密度60~79) ○○(呼び方)…恥ずかしいので、人前でさわるのはやめて下さるかしら…? (親密度80~) ○○(呼び方)…私だけっていうのであれば構いませんが、他の神姫にも同じことをしたら許しませんわよ。 尻タッチ(親密度0~19) まぁ!? ○○(呼び方)、もうあなたに用はないわ!クビよ! (親密度20~39) まぁ!? ○○(呼び方)!世の中には許されない冗談があることをご理解いただけるかしら? (親密度40~59) まぁ!? ○○(呼び方)、弁解があるなら聞いてさしあげます。まぁ聞くだけで許しませんけど。 (親密度60~79) ○○(呼び方)!他の神姫にもやっているのでしょうか?立場を弁えてください。 (親密度80~) ○○(呼び方)…そうね、使用人にご褒美も必要なのかしら。特別に許してあげるわ。 通常会話 たまにはお洒落をして、バトルを忘れてみるのもいいですよね うふふっ。 好きな言葉は努力、勝利… そして…スイーツかな。うふふっ♪ 好きなことですか?オーケストラの演奏は大好きですよ♪ バトルについて?バトルの最中でも、気品だけは失いたくないものですね。 ○○(呼び方)は炊事や洗濯もお得意なのかしら?だとしたら、まさに使用人として完璧ですね! そういえば○○(呼び方)はどんな楽器が弾けるのかしら?私とデュエット出来るような楽器は引けてほしいですわね。 ○○(呼び方)。部屋にあった汚い紙切れを捨てておきましたよ。え?あれが紙幣というものなのですか? ○○(呼び方)。何か私にお願いしたいことってありませんか?聞いてさしあげますよ♪ クリスマス限定 ねえ?サンタ・クロースさんって、何時にいらっしゃるお約束なのかしら?ちゃんと正装でお出迎えしたいわ♪ 年始限定 あけましておめでとうございます!今年こそ私に相応しい品格を身に着けられるよう応援しますからね♪ 武装カスタム 戦闘力Up・武器LvUP時 なるほどですね。 ありがとう。 いい感じね。 よぉーし! どうですか? いいですね♪ まあ!すごいですね! 最高ですね! へぇー! うふふ♪ 戦闘力Down時 あははは…。 何でですか? えーっと… うーん… 素体カスタム 親密度LvUp時 また一つ、強くなったようですわ。ほめてくださっても、いいんですよ? 限界突破時 私の技量、こんなものじゃないんですのよ?これからも、期待してくださいね。うふふっ♪ 出撃時 キャラ入れ替え 楽しい演奏会にしてあげるわね。 バトル開始時 バトルも演奏も、上品に参りましょうね。 さあ皆さん!私を楽しませてくださいね? → 華麗なるコンチェルトをお楽しみくださいね。 バトル中 撃破時 いい音を奏でますね。 ファンタスティカー! コンテナ入手時 こちら、いただきますね。 被弾時 今日はチューニングが今一つみたいね…。 オーバーヒート時 まぁ、オーバーヒートだなんて!? スタン時 目が回りますわぁー…。 デバフ被弾時 不協和音が、響いてますわよ…。 スキル発動時 (能力強化系)激しいのはお好きかしら? (HP回復系)激しいのはお好きかしら? (デバフ系)大人しくなさってね。 (攻撃スキル)あなたの心に響かせて差し上げます! (チャーミークリアボイス)行きますよ!私と 一緒に 華麗なる 協奏曲(コンチェルト)を 奏でましょ! 被撃破時 私の弦が…、こんなところで切れてしまうなんて…! 演奏の途中で…、倒れるわけには…! 次出撃時 うふふ。ここからは私におまかせくださいね。 サイドモニター 応援時 がんばってー! まあ!すごいですね! 交代時 行ってらっしゃーい! 私が出ますね! 被撃破時 ごめんなさい… よしよし、頑張りましたよ。 バトル終了時 1位 やっぱりフィナーレは私たちの雄姿で決まりね!うふふ♪ 私って、どうしてこんなに強いのかしら?もう少し、手加減してあげてもよかったかしら? → さあ、祝杯を上げましょう!次のバトルも、華麗に演奏するわね。 2位 あららー…ちょっと、手加減しすぎたかしら?まあ、たまには華をもたせてあげましょうか。 あら…一位じゃないなんて…ちょっとすっきりしない結果ね。 → 次は、プレリュードから全力で演奏しましょう。手加減は無用よ。 3位 えっ?3位?ま、まあ、たまには…こういうときもありますわよ。落ち込まないで? 私たちが、3位だなんて…悔しい…。この気持ち、どう表現したらいいの? → 私の力は、こんなものじゃないってこと、次こそみんなにみせてあげるわ! 4位 こんなに差を付けられるなんて…さすがにショックだわ…。 あら…最下位だなんて…。なんだか、悪い夢でも見てるのかしら…。 → この悔しさをバネに、次はトップを取って見せるわ! カラフルコンダクト 酔いしれる 甘美な コンサートね 奏でるわ バトルの プレリュードも マエストロ あなたに ついて行くわ 神姫親密度アップ時 今、私たちの心が、一つになった気がしたわ。 マスターレベルアップ時 おめでとう!日々の練習の成果が発揮されたんですのね! コンテナ獲得後1位 もちろん、コンテナも用意してるわよ。これで次のバトルも、華やかにいきましょうね! コンテナ獲得後2位以下 ああ、でも、コンテナは確保してるわ。これを活用して、次は一位に輝きましょうね。 レイド成功時 やっぱりフィナーレは私たちの雄姿で決まりね!うふふ♪ レイド失敗時 悔しい…。この気持ち、どう表現したらいいの?さすがにショックだわ…。 神姫ショップお迎え時 はじめまして。バトルも演奏も、優雅に奏でるから、期待していてね。 ゲームオーバー時 お疲れさま。まだまだフィナーレには早いですわよ?私、待たされるのは嫌いだから…早めに会いに来てくださいね?うふふ♪ + リセット開始 神姫の想い、大切に。 + 選択した神姫をリセットします。よろしいですか? リセット開始 リセット…?わ、私たちの関係を、消したいだなんて…。 はい を押す 噓でしょ!?嘘だと言ってちょうだい!私…まだ一緒に演奏したいの!バトルもしたいの!こんなところで消えてしまうなんて…嫌ぁ…。 はい を押す(二回目) 本気なのね…?どうしても、お別れしたいのなら、仕方ないわ…。残念だけど、最後は、笑ってお別れしましょう…?さようなら…。 リセット完了 初めまして。どんな音楽がお好み?これからよろしくね! リセット取消 リ、リセット…しないのね…?わ、私は、本気じゃないって分かってたんだから!今度そんな冗談言ったら、許しませんよ! 親密度○時イベントのオーナーの呼び方 マスター・アモーレ・兄たん 神姫ハウス内コミュニケーション ステータス情報 親密度Lv1 ATK DEF SPD LP BST N 40 30 90 330 125 R 45 35 100 380 145 SR 50 40 110 430 165 UR 55 45 120 480 185 親密度Lv100 ATK DEF SPD LP BST N - - - - - R - - - - - SR - - - - - UR - - - - - マスクステータス 1/s ジェム回収展開速度 ブースト回復量 ダッシュ速度 ダッシュ時ブースト消費量 ジャンプ時ブースト消費量 対空時ブースト消費量 防御時ブースト消費量 N 1500 150 960 85 70 20 90 R 1050 105 90 40 110 SR 1140 125 110 60 130 UR 1230 145 130 80 150 覚えるパッシブスキル一覧 最後の調律【紗羅檀専用】瀕死になるとデバフを受けた際デバフ効果を反射する 早熟型のパターンで覚えるパッシブスキル 防御力アップ[小]防御力を上げる クリティカル発生アップ[小]クリティカルが出る確率が上がる 攻撃スピードアップ[小]攻撃時のスピードが上がる ジェム出させる量アップ[小]敵に攻撃した際に出るジェムの量を増やす 体力最大値アップ[小]体力の最大値を上げる 攻撃力アップ[小] *要限界突破(L110)攻撃力を上げる ため威力増加[中] *要限界突破(L120)ため攻撃の威力を上げる 通常型のパターンで覚えるパッシブスキル よろけ軽減[小]よろけの行動不能時間が短くなる スピードアップ[小]移動する際のスピードアップ ブースト最大値アップ[小]ブーストゲージの最大値を上げる 体力最大値アップ[小]体力の最大値を上げる クリティカル発生アップ[小]クリティカルが出る確率が上がる ブーストアップ[小] *要限界突破(L110)ブースト時の移動スピードアップ 射撃弾数+2 *要限界突破(L120)射撃時の残り弾数を増やす 晩成型のパターンで覚えるパッシブスキル 体力最大値アップ[小]体力の最大値を上げる 攻撃力アップ[小]攻撃力を上げる スピードアップ[中]移動する際のスピードを上げる ブースト最大値アップ[小]ブーストゲージの最大値を上げる 射撃弾数+1射撃時の残り弾数を増やす 全能力アップ[小] *要限界突破(L110)全ステータスがアップする ため時間減少[中] *要限界突破(L120)ため時間を減少する 神姫固有武器補正 ※レアリティが上がる毎に得意武器は-5%、苦手武器は+5%される。数字はレア度Nのもの。 得意武器 +50% 回復・補助 +30% 投擲武器・防具用武器・片手斬撃武器 +20% 下手持ちヘビーガン 苦手武器 -30% 格闘打撃武器・両手打撃武器 -25% 片手打撃武器 神姫考察 攻撃力 防御力 機動力 総評・運用 神姫攻略法 お迎え方 2022/6/10~から神姫ショップに登場 アップデート履歴 コメント フブキさん、ミズキさんと似たように運用しています。足廻りが遅くなった分色んな武器を扱えるようになった印象ですね -- 赤サム (2022-07-03 14 26 26) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1801.html
鋼の心 ~Eisen Herz~ 登場神姫の武装紹介 アイゼン #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (Eisen01.JPG) 【ファルクラム】(fulcrum) アイゼンの標準装備。 ストラーフの各種装備を中心とした、オーソドックスな重量級神姫。 主兵装は2門の【FB256 1.2mm滑腔砲】で、弾種は【徹甲弾】【榴弾】【散弾】の三種を撃ち分けられる(弾薬選択はセレクターではなく、マガジン交換によって行う)。 副兵装は同じくフォートブラッグの【M16A1アサルトライフル】で、主砲リロード中の牽制や対空砲火として使用する他、軽装甲高機動の神姫相手ならば主力としても使用する。 補助兵装として使用するハンドガンも、やはりフォートブラッグの【FB0.9V アルファ・ピストル】で、『ハンドガンの利点は携帯性』と言う観点から小型拳銃として選ばれたもの。 近接武装としては【アングルブレード】【フルストゥ・グフロートゥ】【フルストゥ・クレイン】を二本ずつ備えており、多角的で手数と威力を両立させた攻撃が得意。 ただし、めんどくさくなると装甲に任せての力技に持ち込むので、目が離せないのだとか……。 これらの各種近接武装は、通常時【アングルブレード】をチーグルの内側に、【フルストゥ・グフロートゥ】【フルストゥ・クレイン】は背中に装備している。 特に背中の、【フルストゥ・グフロートゥ/クレイン】は放熱板としても機能しており、緊急放熱時には重なっている部分が展開し、あたかも2対の翼を持つ悪魔のように見えるとか……。 なお、脚部のタンクは増槽であり、追加の燃料が入っている。 外部に剥き出しではあるが、混合前の原液である為、被弾による爆発の心配は無いらしい。 もちろん、使った後は投棄し、機体を軽量化できる。 設計思想としては、腕部の重量を増大させることによりカウンターウェイトとしての効果を狙い、ストラーフの長所であるパワーで短所である機動性の低さ補った形の武装になる。 重量のある腕を振り回す事で反動を得、瞬間的にではあるがストラーフの域を超えた回避力を発揮することが可能。 更に、切り札として。収納状態の【FB256 1.2mm滑腔砲】を、反動抑制をカットした状態で発砲し、反動で拳の速度と威力を爆発的に増加させた“必殺技”とでも言うべき攻撃法、『ブーストアーム』を持つ。 ただし、空ぶった場合はチーグルの肘間接に反動が全て集中するため、おそらくは間接部の破壊により使用不能になると推測される。 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (Eisen02.JPG) 【バックファイア】(Backfire) アイゼンの砲戦装備。 第二話において、フェータと戦うために一晩で組み上げた砲戦装備。第七話でも使用しているが、基本的には緊急時用の予備武装。 主兵装は【ファルクラム】と同様に【FB256 1.2mm滑腔砲】で、副兵装に【M16A1アサルトライフル】、補助兵装に【FB0.9V アルファ・ピストル】を装備しているのも同じ。 【ファルクラム】の格闘能力をオミットした簡易設計に過ぎないが、【FB256 1.2mm滑腔砲】がバックパックに直接装備される形状となったため、弾種選択がセレクターで行えるようになっている。 これは、バックパック内部からの給弾で【徹甲弾】、砲に装填されたマガジンから【榴弾】を薬室に送り込むことで弾種を使い分ける仕様。 ちなみにこの装備では【散弾】は使用不能(微妙に弾の長さが違う為)。 また、バックパックからの直接給弾である為、装弾数が倍近くまで増加しているのも利点の一つ。 もちろん、事前に必要があると分かれば、【徹甲弾】と【榴弾】を入れ替えて装備することも可能。 とは言え、地味に命中精度が上がっているのが、実は一番のメリットだったりもするが……。 【フランカー】(Flanker) 対四姉妹(土方京子の神姫)用に開発されたアイゼンの切り札。 アサルトフォーム、フライトフォーム、ライダーフォームの三形態に変形し、強力な【レイブレード】と【斥力場シールド】を武器とする。 元々、四姉妹に対抗する為に四姉妹の持つ能力を再現する方針で作られたデッドコピーであり、個々の性能は四姉妹には及ばない。 また、【斥力場シールド】を持つとは言え、装甲自体の防御力は【ファルクラム】等と比べると明らかに見劣りし、パワーそのものもかなり低下している。 そのため、アイゼンの得意とする戦法とは合わず、100%のポテンシャルを引き出せるとは言いがたい。 それを補って尚余りあるのが、リーナの開発した超高出力のエンジン【メルクリウス】であり、これをパワープラントとする事で各種機能の強化や追加機能を使用し基本性能を補う事になる。 【レイブレード】 武装に割く余裕の少ない【フランカー】にとって、飛び道具は装備し辛い部分が多く、元より飛び道具の効かないカトレアを相手に戦うことも想定されていた為主兵装として抜擢された武装。 奇しくもカトレアと同じ武器であるが、製作者の技術レベルの差異がその性能の差として顕著に現れている。 結果として稼働時間も威力もカトレアの【レイブレード】には遠く及ばず、2刀を持ってしても太刀打ちできなかった。 【ハイパー・レイブレード】 主兵装である【レイブレード】をエンジンユニット【メルクリウス】に直結させる事で、強力な出力と実質無制限となる持続性を獲得させた形態。 威力はカトレアの【レイブレード】に勝るとも劣らず、非常に強力。 ただし、エンジンユニットごと振り回すために重く、攻撃速度はどうしても遅くなる。 リーチは非常に長い為、剣と言うよりもむしろ槍として運用される。 【フェルミオン・ブレイカー】 基本的に重火器を有さない【フランカー】の追加装備。 速射可能で威力と効果範囲も凄まじい陽電子砲だが、弾薬と砲身が一体化した砲撃ユニットが使い捨てである。 その為、一度の出撃で最大2発までしか使用できず、使用時は【メルクリウス】と直結させねばならない為、一部の機能とは併用できない。 しかし、それでも威力はブーゲンビリアの【ユピテルレーザーシステム】の“class1”程度でしかなく、“class3”、まで存在する【ユピテル】に比せる性能では無い。 その上、使用コストが膨大であり、一発辺り500円もする。 これは、高校生がゲーセン(神姫センター)で使うには高すぎる金額だと言えよう。 尚、【フェルミオン・ブレイカー】を有している【フランカー】を【ストライク・フランカー】と呼称する。 【カロッテP12】 機動性の高い【フランカー】運用時には、【ファルクラム】使用時の【FB0.9V アルファ・ピストル】では命中率が不足する事から、新たに補助兵装として選定されたもの。 これ自体には特に改造は施されていないものの、基本性能の高さとレーザーサイトによる命中率の補強は充分実用に耐えられる。 銃器に関し『Vulcan Lab』社がトップクラスである事の証左。 【メルクリウス】 多機能を誇る【フランカー】の中枢であり、最重要部位でもあるエンジンユニット。 開発をリーナ・ベルウッドが担当しており、同クラスの神姫のパワープラントとしては最先端クラスの性能を誇る。 この超高出力エンジンこそが【フランカー】の全戦闘力を支えると言っても過言ではない。 【斥力場シールド】 装甲の薄い【フランカー】を補う為のバリアシステム。 メインジェネレーターである【メルクリウス】に合計8器が内蔵されており、同時に8枚の斥力場フィールドを形成することが可能。 8枚を全面に展開しフルバリア(全周囲防御)として使用する事も、一方向に集中して鉄壁の盾として使用する事も可能。 当然ながら集中防御の方が強度は高い。 防御力の方はモデルであるカトレアの【イージスの盾】に比してかなり劣っており、集中防御でようやく対等である。 もちろんその状態で全周囲防御を実現しているカトレアの方が遥かに性能は高い。 【フライトフォーム】 機動性を極限まで向上させた形態。 戦闘モードであるアサルトフォームよりも機動性に勝り、高い回避力を誇る反面、装甲は薄く防御力は激減している。 この形態でも【斥力場シールド】は使用できるが、使用中は機動性が極度に低下する為通常はOFFになっている。 基本的に上に乗るか、下にぶら下がって使用する為、戦法としての自由度は高く、補助AIによる自律行動可能な為、ある種の【ぷちマスィーンズ】であるとも言える。 【ライダーフォーム】 移動力に特化した【フランカー】の一形態。 基本的な構成は【フライトフォーム】と大差ないが、飛行能力を捨てている分、最大速度が向上している。 構成が同一である以上、この状態でも【斥力場シールド】は使用可能。 もちろん、使用時には最大速度が低下する。 尚、上記の【フライトフォーム】と、この【ライダーフォーム】において、敵に向かって加速した後【斥力場シールド】を展開し、突進する攻撃をアイゼン自身が考案しており、纏めて【シールド突撃】と称する。 【アクセルモード】 反応速度の鈍いアイゼンの限界を補う為の補助装備。 思考速度を極限まで加速させると同時に、身体機能のリミッターを解除する諸刃の剣。 使用する事で身体、AI双方にダメージが蓄積される為、長時間使用も連続使用も不可能。 ただし、高速戦闘に不向きなアイゼンがそれを行う為には必須の装備であり、使用せざるを得ない局面は極めて多い。 アイゼン曰く、「使用中は頭痛がする」との事。 因みに、アイゼンの場合、反応速度はこれを使用してようやくカトレアと同等。 このシステム自体にも限界がある為、元々反応速度の高い神姫には余り効果が無い。 フェータ 【ファルクロス】 フェータの標準装備。 ノーマルのアーンヴァルから一部の装甲をオミットし、軽量化したもの。 武装が刀一本と言う事もあり非常に軽量で、エクステンドブースター無しでそれに匹敵しうる最大速度をもつ。 更に、全備重量の軽さから、回避、加速などの挙動が軽快であり、機動性は極めて高い。 反面、装甲は非常に脆弱で、防御力は全く期待できない上、武装が限定されている為、リスクの高い近接戦闘を余儀なくされるという尖った構成。 ただし、フェータ自身の技量と機体特性の適合性は高く、高速且つ必殺の威力を持つ抜刀(居合い抜き)を可能としており、限定的とは言え、戦闘力は非常に高い。 なお【ファルクロス】とは、【ネストランザ】が開発された後に、【ネストランザ】との区別のために命名された呼称。 【ネストランザ】 島田祐一により作成された、アーンヴァル用の強化ウイングユニット。 出力が強化されたメインスラスターと、各種バーニアを装備しており、巡航能力、機動性の双方で高い性能を発揮する。 主翼は可変翼を採用しており、根元から角度を変えて機動性を更に強化する他、エアブレーキとしての機能も併せ持つ。 重量の増加により挙動の一部が重くなるので、それを相殺する為にバーニアを使用した細かな姿勢制御が必須であり、飛行タイプの神姫以外にはやや扱いが困難という欠点もある。 更に、相変わらず装甲は薄く、不意の被弾が致命傷になりかねないという弱点は残ったまま。 【フリッサー】 本来は【ストライクフランカー】用の防御装備であったが、仕様の変更により【ネストランザ】と併用するように調整されたもの。 基部に装備されたエネルギーパック(通称マテリアル)を使用して高出力の電磁衝撃波を発生させる。 原理的には電磁波と衝撃波を同時に放出するだけの単純な機構だが、高度な制御プログラムの支配下において様々な効果を発揮する多目的兵装となっている。 衝撃波をそのまま放射する事もできるが、射程距離は1m。有効射程ならば30cm程度と射程距離は極めて短く、飛び道具としては扱い辛いものの、その特性上単純な装甲厚では防御できず、同時に放出される電磁波により一時的な機能不全も起こり得る。 これによって齎される機能不全は、平均的な神姫で1秒程度、電子戦に優れた神姫であっても0.5秒程度の麻痺効果。 更に、この衝撃波には銃弾やレーザー、荷電粒子などを吹き散らす効果もあり、防御兵装としてフェータの防御を一手に担っている。 また、【フリッサー】は直接接触時にも使用可能で、【刀】を振動させる事により高周波ブレードとしての機能を付与し、切断力を向上させる他、相手の身体を直接掴んで発動させる事で気絶状態にさせる事も可能。 尚、【フリッサー】の弾数はかなり特殊で、装備されている3器のマテリアルは開放する事でそれぞれ、凡そ5回の【フリッサー】起動を可能とするが、解放後は時間経過に応じてエネルギーを放出してしまう為、15回全部使える状況は殆ど無い。その為、使用回数は3~12回前後と安定せず、運用には注意が必要となる。 【為虎添翼(イコテンヨク)】 フェータ愛用の刀。 特別な加工は特に無く、店売りの量産品である。 フェータの真の強さは特別な武器を必要とせず、何処にでも在り(場合によっては敵が持っている事もある)、簡単に購入できるこの剣で十全の力を発揮できる事にあるのかもしれない。 尚、作中で一度ストレリチアに折られている為、大会の前後で違うものを使用している。 大会前の刀は【ハラキリ丸】、大会以後の刀を【クビキリブレード】と呼ぶらしいが、美空がそう主張しているだけで、フェータ本人はそれを否定しているとか…。 レライナ 【レティナラティス】 高速戦闘型のサイフォス、レライナの通常装備。 サイフォスにしては軽装で、防御力は平均的な神姫と同レベルでしかない。 ただし、レライナの武器は神速を誇るダッシュであり、そもそもレライナをまともに狙うことそのものがまず困難である事を考えれば必要充分な防御力だと言える。 主兵装は通常のサイフォス同様【コルヌ】を使用する。 この【コルヌ】は通常のものと何ら変わらない性能であり、特別性は無い。 また、サイフォスとしては低い装甲防御力を補う為に小型のシールドが装備されているが、こちらは非常に頑強で、ガードしてしまえば殆どの攻撃は無効化できる。 【ペタルプレート】 レライナの機動性を向上させる為の追加装備。 外見はジルダリアの【フローラルリング】そのものであるが、むしろ幾つかの機能がオミットされた簡易品である。 そもそも、圧倒的な瞬発力を持つレライナにとって、機動性を代替する装備はむしろ速度の低下にしかならない。 そこで、設計者であるリーナ・ベルウッドは、ダッシュ(超低空跳躍)中のレライナを強制的に着地させ、即座に別方向へのダッシュを可能とする装備を模索した結果が【フローラルリング】であったと言う事になる。 その為に機動ユニットとしての継続的な使用は念頭に入っておらず、浮遊か瞬間的な加速(もちろん加速といってもレライナのダッシュには及ばない為、基本的にダッシュ中のレライナを強引に着地させるためにだけ使用される)しか出来ないが、これを駆使することでレライナは圧倒的な機動力を発揮し、瞬時に相手の背後へ回りこむ事すら可能としている。 ただし、レライナのダッシュは大量の電力を消耗する為、活動時間が制限されると言う欠点があり、この【ペタルプレート】を装備することによってそのリミットは更に短くなってしまう。 【追加バッテリー】 レライナの腰の右に付いている外部電源BOX。 圧倒的な戦闘力を誇るレライナ唯一の弱点である継戦能力を補う為に装備された追加バッテリー。 もちろん、これで完全にバッテリー不足が解消される訳ではないが、戦闘時間はそれなりの向上を得ている。 セタ 【ツインピレム】 砲撃戦を主体とするハウリン、セタの標準装備。 主兵装は2門の【吠莱壱式】と【ホーンスナイパーライフル】で、狙撃と曲射砲による間接攻撃が主な戦闘スタイル。 中でも【吠莱壱式】を曲射砲として使用する高精度砲撃は、魔弾と称されるほどの精度を誇る。 セタもまた、ハウリンの例に漏れず【ぷちマスィーンズ】を装備しているが、彼女の装備する【ぷちマスィーンズ】は攻撃能力を完全に廃した代わりに、通信及び索敵性能を大幅に強化されている完全な偵察ユニット。 これを利用して、遥か遠方の標的を目視せずに砲撃することが可能。 また、近接戦闘用の装備として【ハグタンド・アーミーブレード】2本を【吠莱壱式】の内側に仕込んでいる。 作中では、フェータを相手にまるで歯が立たなかったが、砲撃装備を廃したセタはそれなりの格闘戦能力を有する。 【ビビアニト=178式センサーイヤー】 デルタ、セタに装備される音響索敵装置。 音を聞く事で周囲の状況を把握するパッシブソナーとしての機能の他、アクティブソナーとしても使用可能。 パッシブ時には静音状態であれば神姫の稼動音すら識別可能な精度を誇り、直接視界の通らない壁向こうや、完全な暗闇状態での策敵も容易にこなす。 神姫はその本来の静粛性から、たとえ隠密タイプとは言え静音性にまで手を加えているものは少ない為、非常に有効な索敵手段として機能する。 更に、アクティブ時には自ら発した超音波の反響で索敵を行う。 反響索敵においては、物体に当たり、跳ね返ってくる音波を拾う事で周囲を把握する為、形さえあれば音が無かろうと透明だろうと探知できる。 ただし、この場合は壁向こうなどの索敵は不可能であり、探知距離も短くなってしまう。 尚、ソナーとは本来こういった反響索敵を意味する単語。 【魔弾=タスラム】 超長距離、視界外への精密砲撃。【ぷちマスィーンズ】による視界外、遠距離での着弾観測を使用し、射線の通らない目標への攻撃を可能としている。 弧を描いて飛来する砲弾は、途中に岩や森、壁などの障害物があっても、その上を通過して目標を正確に捕捉することが可能。 使用する砲弾が着弾地点の周囲に爆炎を撒き散らす【榴弾】である事に加え、発射角と使用する炸薬の量を調節することで、複数の箇所へ行った砲撃が、その着弾時刻をまったく同じになるように調節することも可能。 敵からしてみれば、数体の砲撃機に集中攻撃を受けているようなものであり、生半可な機動性では脱出は難しい。 【魔弾=ザミエル】 中距離、視界内での誘導砲撃。 弾速が遅い、という欠点を持つ【吠莱壱式】榴弾仕様の特性を逆手に取った攻撃で、先行して発射した【吠莱壱式】の弾頭を、後発の【ホーンスナイパーライフル】の高速弾で狙撃し、その弾道を変更すると言うもの。 精密砲撃を駆使するセタは、自身の放った砲弾の弾道を正確に把握している為に、それを自ら狙い打つのは決して不可能なことではない。 弾道を自在に変えられる為に、敵の予期しない方向からの攻撃はもちろん、回避する敵を砲弾で追いかける一種のホーミングすらも可能としている。 ただし弾道の操作中は、セタ自身一切の移動はおろか防御行動すら出来ない程に集中力を要するために、完全な無防備状態となってしまう。 デルタ 【トリプルダガー】 デルタシステムの標準モデル。 親機であるデルタ1と、子機であるデルタ2、3で構成される戦闘ユニット。 量子力学に基づく共有意識を有する構成であり、相互の交信には一切のタイムラグが無く、距離制限も存在しない。 もちろんあらゆる妨害も通用せず、理論上この交信を妨げることは不可能とされる。 このシステムは、テレパシー(ESP)と呼ばれる物を量子力学で再現したものであり、簡単に言えば一つの意識に3つの身体が与えられているようなものである。 このため連携は非常に高レベルであり、個々の性能の低さをそれで補う事で高い戦闘力を発揮する。 【自爆システム】 デルタシステムの特性を活かした非常に強力な攻撃。 高度な自律思考を行い、自ら組み付いてくる爆弾がどれ程効果的かはあえて語るまでも無いが、自分自身である子機を自爆させるため、本来はデルタ本体にも高い精神的ストレスが与えられるとされる。 それを防ぐ為、デルタには『痛覚』及び『感覚』が除去されており、自らの自爆に一切の躊躇を持たないようにされている。 神姫としては非常に歪んだ存在だが、本人は余り気にしてないらしい。 大会以後、専用の爆薬を内蔵するようになり、破壊力は更に向上したが、レギュレーションには完全に違反している為、厳密にはイリーガルとも呼べる存在(大会では【トリプルダガー】は使用しておらず、審査にはかけられていない)。 【ロンクロイム=速射砲】 デルタの標準装備となる速射砲。 フォートブラッグの標準装備である【FB256 1.2mm滑腔砲】をベースに連射性と携帯性を向上させた武器。 火力の高さは【FB256 1.2mm滑腔砲】譲りであり、構造も単純で信頼性も非常に高い。 ベースに比べ、遠距離での命中精度に難が有るが、中距離以内では連射性の向上と取り回しの良さを活かした制圧射撃が可能。 対地、対空、中距離狙撃、弾幕と、様々な用途で使用できる非常に便利な火器。 尚、典雅の製品として販売される予定。 【ビビアニト=178式センサーイヤー】 デルタ、セタに装備される音響索敵装置。 デルタシステム用のオプションが追加されているが、基本的にセタのものと同一性能。 性能、外見は変わらないが、こちらの方は試作機である為、配線が整理されておらず少々整備に手間がかかるらしい。 典雅の製品として販売されるやいな、大型の策敵装置としては空前の売れ行きを見せ、同社の看板商品となる。 マヤア 【アーテリー】(artery) マヤアの標準装備。 何の変哲も無いツガルタイプの武装一式。 変形時のタイムラグを縮める為に幾つか手を加えられているが、その他はほぼ無改造。 しかしながら、機動性を中心にマヤアの強さを支える一要素であることは疑いようが無く、 ツガルの開発元である『Studio Roots』の技術力の高さを証明する好例。 ただし、ツガル本体と合わせ扱いこなすのが難しい事でも知られ、ポテンシャルを引き出せなければその性能は平均値にも及ばない。 そこそこ頑強なアーマーを各所に配し、その中にバーニアを仕込むという装備構成が防御+回避を高いレベルで実現しており、 遠、中、近と取り揃えられた武装が、高い機動性と相まって相手の不得意距離での戦闘を実現している。 更に変形し、ビークルモードになるなど、後々の神姫の多くが取り入れる事になる変形合体システムの走りとしての側面もある。 鋼の心 ~Eisen Herz~へ戻る -
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戻る TOPへ 次へ 一回戦目はシルヴィアの粘り勝ちだった。 一撃離脱を繰り返すシルヴィアと、数少ない反撃のチャンスを物にする敵マオチャオ。時間経過と共に両者に蓄積されるダメージ。三度目の格闘戦にもつれ込んだ際に功を焦った猫型が迂闊なステップを踏み、そこをマグネティックランチャーで迎撃。接近の間合いで放たれた高速貫通弾は猫型の装甲を貫いた。 敵は一回戦目から持久戦に陥った事により焦れていたのだろう。だがおれ達のテンションは最高にクールだった。御影キョウジと《ミラー・オブ・オーデアル》マスターミラーを倒す。この目標を掲げるシルヴィアは焦りが生じやすい持久戦の中でも勝利を見逃す事は無かった。 二回戦目までまだ間がある。控え室に戻り、備え付けの自販機でホットココアを購入。シルヴィアには神姫サイズのアップルティーを買ってやる。コーヒーブレイク。二人とも珈琲飲んでないけど。 神姫サイズの紙コップにアップルティーが注がれていく様を見て、おれはまた昨日の出来事を思い返していた。 ツガル戦術論 鏡の試練 後編5 エルゴのバトルフロア。バトル観戦の途中でブレイクタイム。休憩スペースに備え付けられた自販機を認める。マスターミラーに飲食出来るのか確認し、ミラーの好みに合わせてドリンクを選ぶつもりだったが、その必要は無いと彼女に言われた。 飲食が出来る神姫と一緒に食事する際は、マスターの分量を神姫に分けてあげるのが普通だ。武装神姫と言うバトルサービスが市民権を得ているとは言え、神姫と食事をするユーザーが一般的に多いわけではない。神姫用フードサービスなどは見たことは無いし、もし現実的な状況になったとしてもコスト的な観点から普及はまだまだ難しいだろう。かと言ってマスターが神姫のために人間一人前を注文しては無駄な出費が多い。そんな重箱の隅に転がる要望にいち早く応えたのが通称「ちっちゃい物研」。彼らは神姫サイズまで小型化された自動販売機の製作に着手したのだ。自動販売機の概念発祥は紀元前の古代エジプトまでさかのぼり、国内に於けるメカトロニクスの元祖は二十世紀初頭に完成されていたが、新世紀から四半世紀を余裕で過ぎた今日のテクノロジーを以ってしても紙コップ自販機の、あの『飲み物が流れた後に紙コップが降ってくる』悲劇は健在だった。 神姫のドリンクを缶で提供するにはあまりに大掛かりな投資になる。紙コップ式の選択は必然と言えた。だが前述にある悲劇の存在が技術者達の行く手を阻む。神姫達にあの悲劇を味あわせてなるものか! かくして男達は立ち上がる。だが製作は難航した。突貫作業でこさえた試作一号はとても満足の行く精度は出なかった。そして失敗の連続。いたずらに過ぎて行く時間。無力感と絶望感が男達に圧し掛かる。 男達の神姫は彼らを思いやった。 「マスター、もういいんです。私はマスターの好きな飲み物は全部、大好きですよ」 「砂糖やミルクが入ってないコーヒーでも、私、飲めますから!」 「頼れる神姫にはブラックが似合うんです! …あれ? おかしい… な」 「やっぱり… まだ… 飲めませんでした。私、まだまだ、頼れる神姫じゃないみたい… です」 男達は再び立ち上がった。何度も試行錯誤を繰り返し幾度も挫折を味わい数々の困難と逆境が彼らを襲う。つらく苦しい長期戦となった。だが男達は一人として諦めたりはしなかった。何故なら男達の目は常に未来を見据えていたからだ! そしてついに神姫サイズの紙コップ自動販売機の先行量産型が完成した。 数少ない先行量産型は大規模神姫センターに先行モニターとして設置され、そのうちの一台は製作スタッフの熱意あるプッシュにより『ホビーショップエルゴ』に設置される事と相成った。 かくして、エルゴのバトルフロアには神姫サイズの自動販売機が設置され、休憩スペースにおいてマスターと神姫が個々の好みのドリンクを片手に、今まで以上に賑わう事となったのである。 だがこのマシン設置の裏側に上記の壮絶なドラマが存在する事を、多くの人は知らない。 「私にはグレープジュースを頼む」 氷は抜きで。 神姫サイズの紙コップに黄金色のドリンクが注がれてゆく。途方も無い技術の塊とは思えないほどの手軽さで神姫サイズのグレープフルーツジュースは完成した。こんな極小サイズで精巧に動くこの筐体を初めて目の当たりにし、製作秘話を知らないおれでも製作者に最大限の敬意を持った。 大会の二回戦目は大いにてこずった。 敵の武装構成は大幅に手を加えられており、コンセプトを一言で表せば突撃兎型。武装はバズーカ、フックショット、マイクロミサイルランチャーをひとまとめにした統合武装火器を一丁装備。全身を覆う重装甲に背面高機動ユニットを装着した出で立ちのバッフェバニーによる執拗な攻撃がシルヴィアを襲った。 一個の兵器を評価する際、一般的に重視される能力は『攻撃力・防御力・機動力』の三点である。この評価はバトルステージに立つ神姫にも当てはまる。これらの要素はお互いにバランスを取り合うように存在しているのだ。『攻撃力』と『防御力』を上げれば重量がかさみ『機動力』が落ちる。『機動力』を上げるためには『攻撃力』と『防御力』を削る必要がある。『機動力』をそのままに『攻撃力』を上げるためには『防御力』を削ぎ落とさなくてはならない。云々。あっちを立てればこっちが立たずのジレンマの連鎖、トリレンマが延々と付き纏うのだ。明確なコンセプトが見えるマスターは、この限られたリソースを神姫の戦術に合わせ、三点に的確に配分しているのである。 外部電源装置、パワーユニット装着などの手段を講じればリソースの底上げが可能である。だが、攻撃力の増強はある上限を超えれば過度の武装装着と言う手法を取らざるを得なく、複数火器扱いの煩雑さが足枷となり得る。防御力の増強は装甲過剰装備による可動クリアランスの低下、及び運動性の低下を招き、結果的に攻撃力と防御力の低下につながる。機動力の増強は、パワフルな機動ユニットの制御技術と高度な射撃及び格闘能力が無ければかなわない。 明確なコンセプトを打ち立て、余りあるリソースを適切に配分しなくては強化足りえないのだ。もちろん創意工夫と取捨選択により上記の欠点を抑えつつ強化する事は可能であるが、即ちマスターの武装選択センスと神姫の高い能力無しには無し得ないパワーアップなのである。手軽に取れる手段では無い。 だが今回の相手、敵兎型の装備する武装センスと、それらを操る神姫の手腕は洗練され尽くしている。重装甲により高い防御力を実現。パワーユニット兼機動ユニットを背負う事で機動力を確保、さらに複数火器を一つにまとめる事で総重量を抑え機動力低下の懸念を解決している。総合攻撃力こそ控えめなものの、右腕に装備された統合武装バズーカ『カリーナ=アン』のコンセプトは明確である。即ち、「マイクロミサイルで撹乱しフックショットで押さえつけバズーカで粉砕する」。脅威の度合いは、限りなく高い。 こんな敵に小細工は通用しない。真っ向勝負だ。 シルヴィア、飛翔。敵の唯一の弱点である低い運動性に付け入るために、近距離射撃戦を敢行する。 ホットココアを片手に、スクリーン上で繰り広げられるバトルの戦術分析を続行していると、こちらの度肝を抜く神姫が出現した。コートを羽織った犬型。カバンやコートの中に武装を仕込む暗器使いとして分析を続けていたのだが。彼女が劣勢に追い詰められると何と発光、そしていかにも戦闘には不向きな、こう、「ヒラヒラでフリフリ」とした衣装へと変身を遂げたのだ。いや落ち着け、あれは武装換装の一形態だ、と分析を続行したが、珍妙な名乗りを可愛らしい声で述べられると、おれは口に含んだホットココアを吹き出すしか無かった。なんだあれは。理解不能。だが顔を真っ赤に染めながら変身後の前口上を述べるハウリンタイプを見れば、マスターの明確な意図が心に響く。 おれは心の中で静かに親指を立てた。 グッジョブ。 心の栄養を補給し、引き続き戦術分析を続ける。 続く 戻る TOPへ 次へ
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姫は魔女のキスで目を覚ます 最後の記憶は薄暗く、騒がしいまでに不快な音だけが鮮明だった。 体の電池残量は限界を迎え視界を警告が埋めアラートが悲鳴を上げていた。 何故こんな目にあったのかは、今となってはさしたる問題ではない。 廃棄られたその時、神姫にとっての過去は総てが無意味と帰す。 それが玩具としてこの身が生まれた時から決められた運命。 最後に祈るのは、せめて生まれ変わる事が可能ならば…人間になりたいとも思わない。 せめて、意味のある思い出を… ふたりは数学教師のはげに終わったと告げると、そのまま颯爽と神姫部の部室の戸を開けた。 「あ、マスター!おかえりなさい!」 明るい声が聞こえる、主人の帰りを今か今かと待ち望んでいたのか声の主は机の上で神姫サイズのモップを片手に 主人にその存在を主張するよう懸命に両手を振っている。 声の正体は蘆田の神姫の一人、犬型ハウリンタイプのフィラカスである。 ぷっ、と言う音に反応して蘆田がそちらを向くと鼻血を吹いた神奈がティッシュを求めてふらふらとしている。 「ふぐぅ、やっぱりケモテック社総帥自らデザインしたシリーズは破壊力高いわぁ…」 「「黙れ変態」」 「あぁん、ひどぅい」 二人して罵倒され神奈は一歩たじろいでしまう。 しかし本当に引きたいのは紛れもないこの二人であろう事は言うまでもない。 「フォーマットは完了済み…まぁ有り難くはあるけども、随分と念入りなことねぇ」 再起動の為に起動コードを入力し、神姫のメモリー容量を確認する。 しかしその中身はほとんど白紙で、恐らくは前の主人が棄てる前に後ぐされが無いようメモリーをフォーマットしたであろうことが容易に解った。 神姫のCSCは主人との繋がりを感情回路に大きく影響させる構造になっているらしい、もしかしたら誰かに拾ってもらえる可能性を考えてあんな所に棄てたのかもしれない。 少なくとも仮に神姫が不要になった、あるいはやむをえない事情があって神姫を手放さなければならない場合であればジャンクショップに売るだけで公式的にフォーマットは可能だし確実に神姫との別れが可能である。 しかしそれをしないであえて捨てるという選択肢を選んだと言う事は、余程やむをえない事情があったのか、あるいはこの神姫を主人が憎んでいたのか… 「それにしても気分のいい話じゃないな」 「…まぁ、おかげで助かったわ」 神奈はにやけてキーボードに手を滑らせると、基本設定が凄まじい速さで組み込まれていく。 流石に戸三神姫部の技術屋をやっている訳ではないと言うことだろうか。 神奈の好みに合わせて変わって行く各種パロメータ―を見て蘆田も口を挟む。 「ん?この素体は見た所アークタイプのようだが、この設定だと高機動型のイ―ダの方が合ってないか?」 「ちょっとやって見たい事があってね…汎用性が高いに越した事は無いのよ」 CSCのセッティングを終えて、胸部パーツをつけ直す。 するとガチンと大きさの割に重い音が鳴り、人の鼓動のようにビクリと神姫の躯が震える。 鋭い眼光を宿した目が開き、神奈をオーナーと認識して口を開く。 「オーメストラーダ製、HST型神姫アーク…起動します オーナーの事はなんとお呼びすればよろしいでしょうか…?」 「おぉ、なんとか動いたみたいだな」 フィラカスとはまた違う意味で、耳に心地いい歌うような声でオーナー登録を行おうと質問をする神姫に、神奈は答える。 「私の名前は神奈 流、呼び方はそうね…どういう呼び方があるのかしらん?」 「マスター・アニキ・アネキ の三種です」 あらあら、と頬に手を添え神奈は決める。 「兄貴と呼ばれるのもどうかと思うし、マスターと呼ぶのも何か面白みがないわねぇ…じゃあ、アネキで♪」 「了解しました…最後に、私の名前を登録してください。」 会話の中で徐々にインプリンティングして行くのだろう、無機質だった神姫の瞳に光が宿って行く。 神奈は神姫の頭を指で撫でながら、最後の質問に答えた。 「名前は最初から考えているわ、キサヤ…貴女の名前は今日からキサヤよ」 「キサヤ…うん、良い名前だ…ありがとう」 此処まで来るとマニュアルによる機械的な口調ではなく、アーク型特有の個性(キャラクター)の口調になっていた。 キサヤと名付けられた神姫は神奈に手を伸ばし、神奈はその手に添えるように小指を立ててキサヤの手に触れさせる。 「よろしくな、アネキ!」 「よろしくね、キサヤ♪」 二人で呼びあい、CSCに刻まれた絆を確認する…そして今ここに、新しい神姫が誕生したのである。 「ふ…ふふふ… フゥ―ハハハハハ!!!!」 「「「!!??」」」 突然高笑いを始めた神奈にその場に居た明日とキサヤ、さらに台所でえっちらおっちらとコーヒー牛乳を混ぜていたフィラカスはビクッとそちらを振りかえる。 この女は一昔前のムァッドサィエンティストの血でも引いているかと見紛うばかりの見事な高笑いである。 「良い、好いわ、実にイイ!!! アークはスケバン系の性格と聞いていたけど、更に妹分キャラまでつくなんて!! しかも姉妹か義理の姉妹か微妙に解らないくらいがもどかしい、あぁなんて素晴らしいのオーメストラーダ!!」 自分の世界に浸りながらアーク型への萌え的な賛辞を重ねる神奈を先ほどとは全く違う汚物を見るような目で見つつ、滝のように汗を流しながらキサヤは蘆田に問う。 「な、なぁ…ひょっとしてあたし、とんでもないマスターに当たっちまったのかい?」 「あぁ、あれは少し不良で百合趣味でオタクで腐女子で性格螺旋くれまくってるくらいなだけだ、俺はすぐに慣れた」 蘆田の説明を聞きキサヤはますます顔を青く染めていく。 「これ、絶対にはずれマスターだああぁぁあああ!!!」 部室にキサヤの絶叫がこだました。 「さてー、初戦に丁度いい相手はいるかしらねぇ~♪」 早速と言わんばかりに神奈達はキサヤを連れてゲームセンターへと赴いていた。 ゲームセンターには神姫バトルの為の筺体がほぼ標準的に設置されており、いつでも気軽に神姫バトルを楽しむ事ができるようになっている。 神姫を戦う武装神姫として育てるなら、まずゲームセンターで戦って神姫ポイント―ここでは神姫と神姫関連商品に飲みオーナーが使うことのできる電子マネーの事― を溜めるのが一般的である。 しかし… 「ねぇアネキ、もうちょっとまともな装備ないの?」 キサヤが装備しているのは簡易的なローラーシューズとナイフ、そしてハンドガンのみである。 確かにそれは起動したてでも文句を言うには十分な有様であった。 「まぁうちの部はそれ程無駄遣いできる訳じゃないからねぇ、それに今は勝とうが負けようが貴女の体の具合を調べないといけないからねぇ♪」 「カスタムパーツの製作には実費を大いに消費するからな、一昔前までは違法だったがパーツのカスタムくらいまでならOKになった現在だからこそ このバトルは必要なのさ。」 神奈の言い方に一々背筋を這う不気味な淫靡さを感じつつ、蘆田の解説に相槌を打つキサヤだが これがキサヤの人生初のバトルである。キサヤが武装神姫である以上、初めてのバトルに対する期待感は決して無視できるものではなく 結果、今は仕方なく神奈にしたがう事にした。 「がまんがまん…もし碌でも無かったら、あのもう一人のオーナーに乗り換えてやるかんな」 「ひひひ、まぁ失望させない程度には頑張るわ♪」 「俺としても歓迎したいところだけどな」 キサヤははぁ、とため息をつき…ん?とふと神奈の言動の違和感に気付く。 「なぁアネキ、アネキはオーナーとして指示を飛ばすだけだよな?」 神奈は筺体の座席に座り、キサヤの機体を筺体のリフト上に置く。 「私はライドシステムっての、一度やって見たかったのよ♪」 ゾクっとキサヤは背筋をこわばらせる、キサヤも神姫である以上基礎的情報としてライドシステムの情報もインプットされている 神姫バトルには二つのスタイルが存在している、一つは通常のバトルロンドスタイル、通称指示式。 一つはオーナーの指示に従い神姫が自分の意思で動き戦う形式のバトルスタイルである。 もう一つはオーナーが神姫に憑依(ライドオン)して人機一体となって戦うバトルマスターズスタイル、通称ライド式。 指示式に比べて一度に一体の神姫しか操れないが、その分バトルにマスターの癖が強く反映される、まさに個性が強さとなるスタイルである。 しかし神奈は神姫を見て押し隠す事も無くハァハァと身をよじらせる変態である 正直に言ってそんなマスターに身を預ける事に危機感を感じない神姫は恐らく居ないのではないだろうか、居るとしたら相当に鈍感である。 しかしキサヤは世の中に武装紳士と呼ばれる連中がごろごろいる事を知らない。 「ひゃははははは!!そうそこで股を開くのだ!!」 「ひぐっ…ひっく、もうやだよぉ」 「!!?」「あら世紀末」 突然に聞こえた如何にも世紀末な笑い声に丁度選ぼうとしていたとなりの筺体を見ると、キサヤは顔を赤くして驚愕し、神奈はぷふっと鼻血を吹く前にティッシュを鼻に詰める。 隣の筺体ではカメラを持った男が、何故かあられもない恰好をしているアルトアイネス型の神姫を惜しげもなく撮影していたのである。 「くそぅ、赦してくれミミコ…僕が戦闘前に約束してしまったばっかりにっ」 「うぅ…何でマスターまでガン見なのさぁ」 「約束したのだから仕方ないさなぁ!!さぁ次はもっと恥かしい下からのアングルだ!!」 「さぁさぁもっと誘うように、媚びて媚びて!!」 しかし状況は特に犯罪的ではなかったようだ、バトル前に約束したのであればそれは合法である。―神姫本人の意思はどうとして― しかも何故かいつの間にか神奈も混ざっておりアルトアイネスにポージングの指示を飛ばしている始末である。 そのような―良識人から見て―狂った状況下で、キサヤは流石にオーナーの頭の上に昇り、飛びあがって脳天に強烈なかかと落としを喰らわせた。 ガッ「みぎぃ!!」 「そこのカメラ男!!あたしとバトルしろ!!そんな神姫が泣くようなことを皆の前で平然とやるなんて、オーナーとして恥を知れ!!」 悲鳴をあげてうずくまる自らのマスターをよそにビシッとカメラを持った男を指さしてキサヤは宣戦布告した。 「あ?そっちのオーナーは同志じゃねぇのか?」 「ん~同志ではあるけれどキサヤが言うなら仕方がないわねぇ~ どう?あなたたちがやったのと同じ条件でバトるというのは♪」 神奈もウィンクして相手をバトルに誘う、同じ条件という事は即ち、負けたら神姫に恥かしいポーズをさせて撮影会と言う事である。 「ちょ…!!待ってそう言う意味じゃなくて」 「あら、喧嘩を売るならこっちにもそれなりのリスクが無いとね♪」 うぐ…と押し黙るキサヤ、カメラ男もキサヤの躯をじろじろ見て、思う所あったようだ。 「気に入った!!ならその条件で行こうじゃねぇか!!」 「同意感謝するわ、同志!!♪」 「人間って…人間って……」 バトルをする相手とはいえ、異様な程意気投合しているカメラ男と神奈を見てキサヤは頭を抱える。 そのまま不安げな表情でゴウンゴウンと下がって行くリフトに連れて行かれるキサヤを神奈はいひひと悪戯魔女のように嗤いつつ見送った。 「…っ、たくもう!なんなんだよあのオーナーは!」 下りていくリフトの上でいくつものレーザースキャンを浴びながら、キサヤは準備運動を始める。 初めてのバトルに対する不安を少しでも払拭するためである 只でさえ元々隠しごとやはっきりしない事が大嫌いな性格のアーク型神姫にとって、神奈のような不可思議な人間の有り方は非常に不快なのだろう。 「今は、バトルに集中だ…ッ」 元々アーク型は速さのみを求めて作られた機体である。それは即ち戦車型等と同じように純粋に戦う為に生れて来た神姫と言う事である。 ―というより、殆どの神姫はそう言った戦う為に作られた神姫である事が殆どだが― その為神姫はバトルこそが数ある存在理由の一つであり、他者との関わりを最も円滑にするための手段でもある。 「「さぁて、お手並み拝見と行きましょうか…!」」 奇しくもキサヤと神奈、筺体の中と外とで互いに呟くと同時に神奈は専用のヘッドセットを装着し…一言、唱える。 「ライド…オン!!」「っ!?」 すると神奈のヘッドセットの眼前と、キサヤの胸の上にヴォン、と『RIDE ON』というシステムウィンドウが開き キサヤは其処から何かがぶつかり、そのまま突き抜けたような感覚を覚える。 「…ふむ、自分の身体じゃないって言うのは中々不思議な感覚ね」 『これが、ライドオンの感覚…』 ザッ…と対になる方向から筺体の白い地面を踏みしめる音が聞こえる。 「装備から言ってまだペーペーの初心者か…今日は勝ち星頂きだな」 『戦う前からそう言う事を言うものではないでありますよー、それ死亡フラグであります』 うるせぇ、と神姫AIの映るメッセージウィンドウに悪態をつくのはゼルノグラード型の神姫…にライドした相手マスターだろう。 ゴウン、と筺体内部の障害物レーンが上がり、立体映像や特殊微粒子でコーティングされ白い無機質な空間が自然の川辺へと変換されていく。 「漫才は良いけど早く始めないかしらん、私もキサヤを早く知りたいしねぇ♪」 キサヤの体で喋り、相手を挑発する神奈の言動に相手もカチンと来たのか、舞台が完成すると同時に身構える。 「そっちもそっちで余裕こいてると…」 『READY…』 やがてシステムアナウンスが… 「死亡フラグだぜ!!」 『FIGHT!!』 バトルの開始を告げた。 『「!!」』 同時に飛びかかって来た相手のゼルノグラード、その手には柄の長いハンマーが握られている。 当たれば短期決着は間違いないだろう。 しかしキサヤと神奈は地面を蹴り間合いを取って初撃を回避する。 『もう一撃来る!』 「大丈夫、あなたは速いわ♪」 キサヤのアラートを聞き流して今度は相手の懐に飛び込みナイフに手をかけ、そしてキサヤがボディに伝えるサポートモーションに従いヒュン、とナイフを×に振りきる。 「っ!!んの!!」 ドッ!!と相手はハンマーを地面にたたきつけて反動で後ろへと跳んだ。 しかしキサヤは攻撃の手を休めない、ハンドガンをとり間合いを無効化すると言わんばかりに発砲しながら接近する。 (こいつ、初心者じゃねぇ!!) 『マスター!!』 ゼルノグラードの警告に動かされるまま相手もライフルを構えるが… 「速さが…」『足りない!!!』 キサヤは既に銃身の間合いの内側に入り込んでいた、脚に装着したローラーブレードはキサヤのスペックを十二分に底上げしていた。 「がっ…!!」 『凄い…でも……?』 称賛は神奈のセッティングに対するものであった、しかし神奈が繰り出す極めて攻撃的かつパターン化された戦法はキサヤ自身も驚愕させていた。 キサヤも神奈は初心者だと思っていた、現に神奈はライドバトルは初めてだったはずなのだ。 しかしキサヤは自らの身を操る事に違和感を感じていた、それは神奈だけではなかったのだ。 神奈が絡めてキサヤが斬る、そして神奈はイメージしている。速く、強い…嘗て何処かで見た動きを真似るように 相手は二人、自分も二人、しかしてその実キサヤの体は三人分のイメージが操っている。 「……こりゃあ好い♪」 『これで止めだ!!』 ガギン!!と一撃、回し蹴りで相手の顎を蹴り飛ばす。 斬り揉みしながら機体は飛んで行き、やがて川の中へ落ちていき、筺体がピリリリリリ!!!!と終了のアラームを鳴らした。 『WINNER、キサヤ&神奈』 「……ふぅっ」 ノイズと共に神奈の意識が元の肉体へと戻り、深呼吸をしながら神奈はヘッドセットを外した。 「参った、完敗だよ…あんた程完璧な武装淑女は初めて見たぜ」 「あなたも立派に武装紳士よ♪」 マスター同士で互いの友情を確かめ合う、それはある意味では健全な交流と言えよう。しかし… 「さて、ゼルノちゃんの恥かしエロス撮影会開始ねぇ♪」 「うおぉ!!恥かしい恰好では飽き足らずエロスとくるか!!やっぱりすげぇぜあんた!!」 「い、いやああぁぁぁ!!」 そう言いつつ何故か機械製品にも安全なグリスローションを手にゼルノグラードへと手を伸ばす神奈の顔に キサヤの見事なとび蹴りがめり込んだ。 戻る トップ 続き
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マリー・ド・ラ・リュヌ、と彼女は頑なにそう名乗る。 フランス語の名前を持つ彼女の容姿は、やはりというかなんというか、フランス人形に似ている。 いつも右手には日傘を欠かさず、この間着せてあげた夏用のドレスにはリボンとフリルが惜しみなくあしらわれていた。もちろん、そのドレスは彼女が選んだものだ。もし私がこんなのを着たら家中の大笑いになるに違いない。 言葉遣いは、最初のころは普通だったものの、気づいたらいつの間にかニセお嬢様口調になっていた。これはこれで面白いけど、明らかに私の愚兄の仕業だ。まあ、お兄ちゃんは彼女にとってもう一人のオーナーなのだから仕方ないかもしれないけれど。 ああ、フランス人形に似てると言ったけれども、実は彼女はそんなに可愛いものじゃない。いや、可愛いんだけど、そんなに単純じゃない。 マリー・フォン・ディー・モンディン(Marie von die Mondin)、マリーア・デッラ・ルーナ(Maria della luna)、マリア・ルナエ(Maria lunae)、マリール・キアソル・クアソル(Marír ciasol cuasol)、月夜(つくや)のマリア...戦ってきた人の数だけ彼女には名前がある。というか私がマリアと彼女のことを呼ぶと、他の人は勝手に余分なものまで付けて彼女をそう呼ぶ。本当は全部同じ意味なんだけど。 それでも彼女は頑なにこう名乗る。 マリー・ド・ラ・リュヌ(Marie de la lune)。 私がそう呼んだから。彼女がそう望んだから。 今日も日傘を模ったウェポンで戦う彼女は、"人形型MMSノートルダム"の武装神姫。 そして彼女のオーナーである私の名前は、月夜のどか。ただの高校一年生です。 マリーとの出会いの日、六月十日。 「へえ、藤井も神姫買ったのか。いいなあ、金持ちは!」 「バーカ。お年玉とバイト代全部つぎ込んだに決まってるだろ」 放課後、帰り支度をしていると、帰宅部の藤井君とブラスバンド部でサックスを担当している豊田君の会話が聞こえた。普段なら聞き流してしまうような全く普通の会話なんだろうけど、そのときの私はどうも「神姫」という言葉に敏感だったらしい。 というのも、最近、大学院生のお兄ちゃんが神姫にどっぷりと浸かっていたからだ。前々から流行っているということは知っていたし、剣道部の先輩や友達でも持っている人はけっこういる。ただ私のお兄ちゃんがはまってしまうとは思ってなかった。 だってあの人が興味あることと言ったら、オカルト――それこそUFOから幽霊まで――と語学しかなかったのに、それが急に神姫でバトルの毎日。引きこもりがちだった兄が、外に出るようになったのは妹として嬉しいけれど、どこか変な感じ。 うん。まあ、簡単に言えば、私もかなり神姫に興味が湧いてきたわけだ。 というわけで、今日は部活をサボって家に帰り、お兄ちゃんの部屋に直行する。 「お前さ、思春期だろ?青春時代の真っ只中だろ?部活行けよ、友達とカラオケ行って来いよ、親父と兄貴を避けろよ」 「えー?だって稽古はどうせ家でもやるし、カラオケなら先週行ったし、パパもお兄ちゃんも師範代だから一応尊敬しなきゃだめでしょ?」 お兄ちゃんは机で何か作業をしながら私をテキトウにあしらった。 私はお兄ちゃんの後ろから覗き込む。 「暗い」 確かに私が後ろに立ったせいで、机にはほんの少し影が映った。ライトスタンドの角度を少し変えてあげる。 「ねえねえ、お兄ちゃんの神姫見せてよ」 「うーん?ちょっと待て」 それからかちゃかちゃと忙しくドライバや名前も知らない工具を二分くらい動かした後、お兄ちゃんは机の上の、丸いお皿の中で眠っていた神姫に呼びかけた。 「おはよう(ドーブラヤウートラ)、アーニャ」 紫色のボディの神姫はゆっくりと目を開ける。ペイントこそされているものの、この神姫――アーニャはアーンヴァルのようだ。いや、ただのカタログ知識だけど。 「おはようございます、時裕さん、のどかさん」 私はアーニャに会うのは久しぶりだけれど、彼女はちゃんと私のことを覚えていてくれた。相手が電子の頭脳を持つロボットだとわかっていても、少し嬉しい。 アーニャはクレードルから降りて、お兄ちゃんの右手のほうにあるノートパソコンに登った。そこから机の反対方向、つまり私たちから見て左を眺めて言った。 「時裕さん、あの箱はもしかして」 アーニャが指差したほう、ライトスタンドの真下に確かに箱があった。 「ああ、神姫だよ。素体が安かったから。アーニャの妹にしようと思って」 「まあ、本当ですか?嬉しいですわ、ありがとうございます。私、丁度妹が欲しいと思っていたところですわ」 変なお世辞は致し方ない。彼女が喜んでいるのは事実だ。それよりも、それを見てさらに喜ぶお兄ちゃんもちょっとアレだと思う。 私はそっと、箱に手を伸ばした。 お兄ちゃんの言葉一つ一つにアーニャは丁寧な相槌と素晴らしい表情を返し続ける。それでお兄ちゃんはもっと喜ぶ。 見事な平和サイクルだ。 「タッグマッチとかも楽しそうだしね」 「そうですね、きっと楽しいですわ。でもよろしいのですか?のどかさんが組み立てていらっしゃいますけど」 おっと、お兄ちゃんはアーニャとの会話で彼女のほうを向いていると思ってたけれど、こんなに早く見つかるとは、アーニャもちょっと余計なことを言ったなあ。悪気は無かったのだろうけど。 「の、のどか!勝手に何やってるんだ!」 「へへ、結構組み立てるの簡単だね、神姫って」 カチリ、と素体の胸に、てきとうに選んだCSCを埋め込む。 私が右のほうを向くと、呆気に取られて口が開いたお兄ちゃんの顔と、嬉々として希望に満ちたアーニャの顔が芸術的なコントラストを形成して私と私の手の中の神姫に向けられた。 ちょっと前のアーニャと同じように、私の手の中の小さな女の娘は、ゆっくりと瞼を上げていく。 そして私を見据えて言う。 「オーナーのお名前は?」 正確に言えばその一言ではなく、その言葉の前と後にも声は続いていて、どうやらいろんな言語で同じ内容を尋ねているようだった。 私が答えられずにいると、我に返ったお兄ちゃんは急いで「トキヒロ・ツクヤ」と叫んだ。けれど彼女は私を見据えたまま反応しない。その様子を見てお兄ちゃんはとうとう声も出なくなり、半ば諦めたような表情になってしまった。 「...ノドカ・ツクヤ」 ゆっくりと、私は外国人に自己紹介するように自分の名前を発音した。 「ノドカ・ツクヤ。では私のマスター・ノドカ、私の名前は?」 「マリー!」 今度は即答した。マリーという名前は代々私が小さいころから猫やフェレット、大切なものに付けてきた名前だったからだ。 私はもう一度お兄ちゃんのほうを向いて笑う。 「ちょっと早い誕生日プレゼントをありがとう、時裕お兄様」 「お前...」 お兄ちゃんはまだ言葉が出ないようだった。それもそうだろう。だって妹に神姫を強奪されたんだから。 作品トップ
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MMS戦記 外伝「敗北の代価」 「敗北の代価 11」 注意 ここから下は年齢制限のある話です。陵辱的な描写やダークな描写があります。 未成年の方は閲覧をご遠慮下さい。 □ 重邀撃戦闘機型MMS「リカルダ」 SSSランク 二つ名「ミョルニル」 オーナー名「春日 凪」♀ 20歳 職業 神姫マスター 真っ赤に燃え滾るヒートナギナタを振り回し,戦国時代の武将のように名乗りをあげるリカルダに対峙する神姫たちは、ぽかんを口を開けて呆然と立ち尽くす。 オーナー1「な、なんだァ!?あいつ!」 砲台型C「あれがSSS級の化け物神姫、リカルダか」 悪魔型「び、びびるな!!!敵は一騎だァ!!!」 一瞬、神姫たちに動揺が走ったが、すぐさま体制を建て直し、リカルダを取り囲むようにじりじりと移動する。 春日はバトルロンドの筐体に備え付けられているタッチパネルを操作し、状況を把握する。 春日「残り、88機!敵は3つの集団に分かれている」 春日はマーカーで3つのくくりを作る。 春日「まずは集団A、陸戦タイプの神姫を中心とした大集団、数は50、どうせこちらの速度にまともについていけない、適当につぶしておけ」 リカルダ「イエス」 春日「次に集団B!!空戦タイプの神姫を中心だな、数は1ダース(12機)、機種はアーンヴァル、エウクランテ、アスカが多いな・・・まずはこいつらから血祭りにあげろ、皆殺しだ!」 リカルダ「OK」 春日「最後に集団C・・・砲戦タイプの神姫ばかりだな!数は20、機種は戦艦型4隻、戦車型6両、砲台型10台!鈍亀ばかりだ、うまく誘導して同士撃ちにさせろ」 リカルダ「了解」 春日はバンっと筐体を叩く。 春日「見敵必殺(サーチアンドデストロイ)!!!見敵必殺だ!!立ちはだかるすべての障害を排除しろ!」 リカルダ「Sir,Yes sir MyMasterrrrrrrr」 ヒュイイイイイイイイイイイイイイイ リカルダのリアパーツに装備されている巨大な素粒子エンジンが緑色に輝く粒子を撒き散らし唸り声を上げる。 巡洋戦艦型A「奴を倒せば兜首だ!賞金を手に入れて富と名声を手に入れろ!」 装甲戦艦型A「支援射撃を開始する!全神姫突撃突撃ィ!!」 数隻の戦艦型神姫が主砲をリカルダに向けて発砲するのを皮切りに再び神姫たちが吼えるように声を上げて、武装を手に掲げてドッと津波のように襲いかかる。 神姫「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」 リカルダはまったく臆することなく、巨大な素粒子エンジンを全開に吹かして真正面から突撃を仕掛ける。 リカルダ「あは、あはっはは!!この程度の数の神姫でこの俺を倒せるとでも?笑わせるッ!!!」 轟とエンジンを轟かせてリカルダは燃え盛るナギナタを引っ掴んで迎え撃つ。 砂漠を砂埃を立ち上げて、真っ先に攻撃を仕掛けてきたのは、ハイスピードトライク型 アーク、ハイマニューバトライク型 イーダ、モトレーサー型 エストリル、クルーザー型 ジルリバーズのバイク使いの4神姫だった。 バイク使いの4神姫はリカルダの姿を認めると、ばっと散開し一斉に手持ちのマシンガンやキャノン砲、ハンドガンで射撃を開始する。 リカルダ「遅い遅すぎるぜ、それで速く動いているつもりか?」 リカルダは地面スレスレをホバリングするように砂山や岩を盾に攻撃を回避し、ズンと地面を強く踏みしめると、同時に地面に巨大な亀裂と穴が穿つ。 パンッと空気が爆ぜる音がしたと同時に、ハイスピードトライク型 アークの紅の武装が異常な形にくにゃっと歪みバラバラに分解されて吹き飛んだ。 □ ハイスピードトライク型 撃破 真横を走っていたクルーザー型のジルリバーズの目が見開かれる。 ジルリバーズ「なっ・・・」 ぐしゃぐしゃに潰れたトライク型の後から破壊音が衝撃波となって届く。 ドギャアアアアアアアアアン!! チカチカと何かが光ったと思った瞬間、モトレーサー型 エストリルの薄いピンク色の体が黄色い閃光に飲み込まれて爆散する。 □ モトレーサー型 撃破 ジルリバーズ「あ、あああ・・・」 彼女の眼前で瞬く間に僚機が沈む。 あまりにも速い、度外れた速さ、圧倒的な凄まじい破壊の力に彼女は驚愕し見届けることしか出来ない。前方でハイマニューバトライク型イーダが変形を解除し、大剣を構えて対抗しようと、リカルダに攻撃を仕掛けようとするが・・・ 次の瞬間、ジルリバーズの横を薄緑色の塊が軽々と宙を舞いすぐ脇を通りぬけていく。 風が唸る。 ゴキン 鈍い金属音が聞こえる。その音の正体を最初は理解できなかったが、崩れ落ちるバラバラになった自分の体がジルリバーズの視界に移ると意味を理解した。 ジルリバーズ「は・・・はや・・・速すぎる」 □ クルーザー型 ジルリバーズ 撃破 ズドンズドンズドン!! 戦艦型神姫の砲弾がリカルダの周囲に着弾するが、リカルダはまったく意に介さず無視する。 リカルダ「おいおい、なんだ?その動きは舐めているのか?あああん?的撃ちじゃねーんだぞッォ!!!!!」 リカルダは顔を歪ませて新たな敵に向かって突進する。 音速を超え、超高速の剣戟に、対峙する神姫たちはまったく捕捉しきれなかった。 悪魔型「うおおおおおおおおおお!!」 巨大な刀を携えた悪魔型が雄叫びを上げて強化アームを振りかざし突撃するが、リカルダは悪魔型が刀を振るう前に胸部を突き殺す。 □ 悪魔型 ストラーフMk-2 撃破 間髪いれずに今度は巨大なハンマーを携えた白い悪魔型とソードを構えた黒い悪魔型が躍り出るが、リカルダは副腕のレールキャノンをくるんと廻して、胸部を正確に撃ちぬく。 □ 悪魔型 ストラーフ・ビス 撃破 □ 悪魔型 ストラーフ 撃破 脇を小柄な2体の神姫が槍と剣を携えて飛び出してきたが、リカルダは2体まとめて燃え盛る紅蓮の炎を纏ったヒートナギナタで文字通り薙ぎ払った。 □ 夢魔型 ヴァローナ 撃破 □ 剣士型 オールベルン 撃破 樹脂の溶ける焦げ臭い不快な匂いを撒き散らして四散する2体の神姫。 リカルダの強烈な攻撃の様子はさながら嵐のようであった、音よりも速いリカルダの攻撃は空気を引き裂き、爆ぜ、対峙する全てのものを打ち砕く。 次々に撃破のテロップが流れる。 まるで音楽を奏でるかのようにリカルダは縦横無尽に戦場を駆け回り、刈り取るように神姫を撃破していく。 □ 犬型 ハウリン 撃破 □ 猫型 マオチャオ 撃破 □ リス型 ポモック 撃破 □ フェレット型 パーティオ 撃破 □ ウサギ型 ヴァッフェバニー 撃破 □ 騎士型 サイフォス 撃破 □ 侍型 紅緒 撃破 □ 花型 ジルダリア 撃破 □ 種型 ジュビジー 撃破 □ サソリ型 グラフィオス 撃破 春日「30、31・・・」 春日はにやにやしながら腕を組んで数を数える。 怯えた白鳥型が大剣を盾に悲鳴をあげて後ずさるが、リカルダは大剣をガードの上から叩き割った。 ズン・・・ 真っ二つに引き裂かれた白鳥型の表情には驚愕の念が浮かんでいた。 彼女は決して弱い部類の神姫ではなかった。数多の戦場を先陣切って誉高く駆け、敵を討ち取ってきた武装神姫である。 だが、違う。 こいつは違う。 一刀両断されて始めて違いに気がついた。 こいつは普通じゃない。 白鳥型「ば・・・化け物め・・・」 □ 白鳥型 キュクノス 撃破 春日「32!!総数の3分の1を殲滅した、残り68!さっさと片付けるぞ」 春日は筐体の画面を操作して状況を把握する。 リカルダ「だめだ、弱すぎる・・・お話にならない」 参加していた神姫のオーナーたちはたった数分間で100体いた神姫の3分の1が潰滅した事実にただ言葉も無く息を呑む。 いま眼前で繰り広げられた戦い、リカルダの桁ハズレの強さ。 次々となすすべもなく撃破されていった仲間たちを見て陸戦主体の残った神姫たちは完全に戦意を喪失して、武装を放り出して逃げ始めた。 カブト型「だ、だめだァ!!こんなの勝ってこないよ!」 クワガタ型「ひ、ひィいいい」 ヤマネコ型「やってられるかよ!!!」 がしゃがしゃと手持ちの武器を捨てて逃げようとした瞬間、後方からチカチカと青白い光が瞬く。 建機型「!?」 ドッガアズガズッガアアン!! 装甲戦艦型A「撃て撃て!!撃ちまくれェ!!」 巡洋戦艦型A「逃げる奴は敗北主義者だ!!!敵もろとも攻撃しろ!!!」 重装甲戦艦型A「奴を倒せば1億円なんだぞ!!断じて引くな!!後退は認めん!!」 数隻の戦艦型神姫が味方もろとも無差別に砲撃を始め、瞬く間にフィールド内は阿鼻叫喚の地獄絵図に変わった。 ドンドンッドオドドン!!ズンズウウン・・・・ カブト型「ぎゃあああああああ!!」 虎型「ウワァ!!」 丑型「いやああああああああああ!!撃たないで撃たないでェ!!!!!」 猛烈な艦砲射撃がリカルダと周囲にいる神姫たちを巻き込んで行なわれる。 戦艦型の取り巻きの戦車型、砲台型も味方を撃つことに戸惑っていたが、手段を選んでいる場合ではないと悟ったのか、一緒になって見方もろとも攻撃を始めた。 □ 建機型 グラップラップ 撃破 □ 虎型 ティグリース 撃破 □ 丑型 ウィトゥルース 撃破 □ ヘルハウンド型 ガブリーヌ 撃破 □ 九尾の狐型 蓮華 撃破 次々とフレンドリーファイヤーの表示が出ながら撃破のテロップが踊る。 瞬時に周りは地獄と化した。その光景は凄惨そのものだった。目の前で多くの神姫たちが生きたまま焼かれ、重症を負い、そして粉々に砕かれて宙を舞った。 ズンズンズン・・・・ ものすごい爆煙と砂埃で砲撃地点は黒茶色の巨大なキノコ雲が立ち上り、ボンボンと神姫が爆発する音と赤い炎が巻き起こる。 上空を数十機の航空MMSが心痛な面持ちで眺めていた。 天使型「下は地獄ですね」 セイレーン型「うわあァ・・・」 ワシ型「イカレ野郎もろとも吹っ飛ばしてしまえ!!」 ワシ型が手を掲げてファックサインをする。 ドッギュウウウム!! 戦闘機型「おぐ・・」 戦闘機型の胸部を黄色い閃光が貫き、爆発する。 □ 戦闘機型 アスカ 撃破 爆煙と砂埃の中から勢いよくリカルダが飛び出し、真っ赤に燃え盛るヒートナギナタでワシ型MMSを一刀両断で切り捨てる。 □ ワシ型 ラプティアス 撃破 リカルダ「コイツァ最高だぜ、ふ・・・恥も外聞もなく味方もろとも攻撃してくるとはなァ・・・」 リカルダは笑いながら次々と航空MMSをハエのように叩き落としていく。 □ コウモリ型 ウェスペリオー 撃破 □ 戦乙女型 アルトレーネ 撃破 天使型「このおおおおおおおおおおおお!!」 天使型の一機が、上空からライトセイバーを構えて突撃してくるが、 リカルダは最小限の動きで回避し後ろを取る。 リカルダ「はずしやがったな!まだまだガキの間合いなんだよ!」 天使型「そ、そんな!!うわああああ!!」 ズッドン!! □ 天使型 アーンヴァル 撃破 天使型の頭部を跳ね飛ばした次の瞬間、リカルダを含む周囲の航空MMSたちにむけて葉激しい強力なレーザー砲の一斉射撃が加えられる。 ビシュビシュウウビッシュウウウウン リカルダ「おわっ!!」 あわててリカルダが回避する。 ズンズンズン!! □ 天使型 アーンヴァル 撃破 □ 天使型 アーンヴァル・トランシェ 撃破 □ 天使型 アーンヴァルMk-2 撃破 □ 戦闘機型 アスカ 撃破 リカルダの回りを飛んでいた航空MMSを強力なレーザーが貫き、空中に炎 出来た光球を作る。 重装甲戦艦型「ヘタクソォ!!貴様らどこを狙っている!!」 巡洋戦艦型A「ウルセェ!てめえが撃てっていうから撃ったんだろがァ!!!」 装甲戦艦型A「畜生畜生!!」 装甲戦艦型B「ひゃっはああーーー!!!もうだめだァ!!」 巡洋戦艦型B「なにをしている攻撃の手を休めるな!!!」 またしても後方にいる戦艦型神姫の一群が味方もろとも巻き込むのも承知の上で砲撃を加えてきたのである。 1度ならず2度までも、味方を巻き込む非道な攻撃を行い続ける神姫たちに観客たちはブーイングを鳴らす。 観客1「お前らさっきからナニやってんだよ」 観客2「このクズヤロウ!!さっさとしとめろ!」 観客3「誤爆誤射ばっかりやんてんじゃねーんだぞ!!このダボォ!!」 観客4「こいつらさっきから味方撃ちしかしてねえーーーーー」 観客5「なにがしてーんだよ!!このクソヤロウ!!」 グラスやゴミをフィールドにいる戦艦型に向かって投げつける観客たち。 オーナー1「うるさい!野次馬ァ!!」 オーナー2「黙れ黙れ!」 オーナー3「どーしようが俺たちの勝手だろ!」 オーナー4「戦いに誤射誤爆はつきものだろが・・・ボケが!」 オーナー5「装甲戦艦!!副砲撃て!!!あの野次馬連中を黙らせろ!!」 装甲戦艦型B「了解、モクヒョウ カンキャクセキ 撃ちかたーーーーーーーーーはじめ!!」 あろうことか、戦艦型神姫のうちの一隻が観客席に向かって副砲で発砲しはじめたのである。 ズンズンズズン!! 観客1「うわあああああああ!!撃ってきたぞ!!」 観客2「キャアアアアアアアアア!」 観客席の2階の中央のテーブルに砲弾が命中し、料理が爆発して飛び散る。 ドガアアアン!! 2階の観客席で春日たちの戦いを観戦していた神代の顔にべちゃっりとケーキのクリームが降りかかる。 脇に立っていたルカが悲鳴をあげる。 ルカ「きゃああ!!マスター大丈夫ですか!!」 神代が顔に付いたクリームを手で拭き取り舌でぺろっと舐めて片つける。 神代「大丈夫だ、問題ない」 バトルも観客席も戦艦型神姫の無差別な艦砲射撃で大混乱になる。 司会者の東條があわててマイクで放送を行なう。 「観客の皆さんはフィールド上の神姫にモノを投げないでください!!フィールド上の神姫は観客の皆さんに攻撃しないでください!!危険です」 フィールドにいる戦艦型が反論の激を飛ばす。 巡洋戦艦型A「最初に攻撃してきたのはアイツラだろ!!これは正当な反撃行為!自衛のための防衛行動だ!!」 装甲戦艦型B「戦艦に喧嘩売るとは上等じゃねえか!!ぶっ殺すぞ!!!!」 観客3「こいつらなんとかしろよ!!」 観客4「危ない!!危ない!!危ないよ!!」 観客5「おまえらは一体誰と戦ってんだ!!このボケカス!!」 春日はアッハハハと大声を上げてパンパンと手を叩いて喜ぶ。 春日「すばらしいこれこそ混乱だ!!戦場に混乱はつきもの!!最高じゃないか!!」 リカルダ「さあて・・・と残りはC集団のみ、ちゃっちゃと終わらせてやろう」 リカルダはヒュヒュンとナギナタを振り回し、突撃する用意に移る。 戦艦型神姫の一群と戦車型、砲台型が多種多様な砲口をリカルダに向ける。 戦車型A「パンツァー1より全パンツァーへ、敵は高速戦闘に特化した航空MMSだ、対空榴弾装填!!穴だらけにしてやれ」 戦車型B「パンツァー2了解」 戦車型C「パンツァー3了解」 戦車型D「パンツァー4了解」 砲台型A「砲撃モードに移行!焦るなゆっくり狙って確実に当てろ!」 砲台型B「畜生!ブチ落としてやる」 砲台型C[負けネーゾ] 重装甲戦艦型「全艦、全砲門開けェ!!火力で磨り潰せッ!!!!」 巡洋戦艦型A「火力とパワーはこちらの方が上だ」 装甲戦艦型A「一億円は俺のものだ」 巡洋戦艦型B「くそったれ、やってやる」 装甲戦艦型B「蜂の巣にしてやる」 ギラギラと目を光らせる大砲を主兵装備とする武装神姫たち 。 戦艦型神姫は巨大な体に据付けられた主砲をゴリゴリと動かす。一撃でも命中すれば神姫を粉々に粉砕できる強力なレーザー砲を搭載し、全身に対空機関砲とミサイルを装備している。単純な火力だけでは戦艦型神姫は最強クラスの戦闘能力を有する。また分厚い装甲に守られ、撃破するのは非常に困難だ。 戦車型神姫は戦艦型とはいかないまでも、強力な戦車砲とそれなりの厚い装甲を備えている。また何台かの同型の戦車型とコンビを組んで安定している。 砲台型もがっしりと地面に腰を下ろし、砲撃モードに移行し、優秀なFCSによって高い命中率と速射性能を有した滑空砲を搭載し待ち構える。 大型の戦艦型神姫、中型の戦車型、小型の砲台型のバランスの取れた鉄壁の布陣で、リカルダを待ち構える20機あまりの重武装の神姫たち。 リカルダとは対照的に、機動性を完全に最初から捨てて、がっしりと待ち構える神姫たちに隙はなかった。 こいつらは、味方ですら遠慮なく攻撃する下種だ。だが、その分勝つことには躊躇せず破壊的なオーラを纏っていた。 間違いなく強敵、そう感じ取った春日は内心、ほくそ笑んでいたが、命令を下す。 春日「大砲屋風情が調子に乗るなよ・・・リカルダ!!遠慮はいらん!!攻撃しろ!」 リカルダ「イエス、イエスマイマスター」 ぐっと身を固めるリカルダ。 さっきまで野次を飛ばして騒いでいた観客たちも一斉に押し黙る。 そしてひそひそと話し声がもれる。 観客1「まさか本当にあの砲火の前に突っ込むんじゃないよな?」 観客2「ありえんだろ?あの完璧な布陣になんの策もなしに突っ込むのは自殺行為だ」 観客3「あの陣形は点や線の攻撃なんて生温いものじゃない、面での攻撃だ」 観客4「面制圧か・・・この猛砲撃を掻い潜って奴らを殲滅できるとしたら、文字通り化け物だ・・・そんな神姫がいるのか?」 To be continued・・・・・・・・ 次に進む>[[]] 前に戻る>「敗北の代価 10」 トップページに戻る
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SHINKI/NEAR TO YOU Phase02-7 大会が終わり、アミューズメントフロアでは後片付けにスタッフ神姫たちが飛び交う。 ゲーム筐体には<メンテナンス中。ご迷惑おかけします>の表示。すでに夕方、会場を訪れていた観客たちも次々に帰っていく。 シュンは一足先に会場を去り、一階の喫茶店で休んでいた。 本当は優勝者としてインタビューなんかもあったのだが、面倒なのでそういうのは全部伊吹たちに任せてきた。 あのコンビはマスター・神姫揃ってノリがいいから別に問題ないだろう。今度配信される神姫センターの公式ウェブマガジン「武装神姫ジャーナルMAYANO」では、きっと悪ノリした二人がデカデカと載ることになるに違いない。 ウェイトレス神姫が運んできた紅茶を飲みながら、シュンは向かいの席に目を向ける。 そちらではワンピースの上に白衣をまとった妹の由宇が、机に広げたタブレット端末を熱心に操作している。端末の先にはクレイドルが繋がれ、そこに腰掛けているのは当然ゼリスだ。 由宇は嬉々として操作を終えると、ツインテールを揺らしながら顔を上げる。 「うん、ゼリスも武装もどっちも問題なし! お疲れ様♪」 ゼリスは「ユウ、感謝するのは私の方です」と頭を下げる。ゼリスの言うように、オーラシオン武装と由宇の調整がなかったら、優勝するのは難しかっただろう。その意味で彼女は今日の最大の功労者と言ってよかった。 「ありがとな、ユウ。優勝できたのはお前のお陰だよ。奢ってやるから好きなもん頼んでいいぞ?」 「ホント!? じゃあ、ムルメルティアの無限軌道ロールケーキセットね! やったー、これ前から一度食べてみたかったんだぁ♪」 ころころ笑みながら、由宇は早速近くのウェイトレス神姫を呼び止めている。……全く、こういうところは年相応に可愛らしいんだけどなあ。 「……ふふん、そういうことなら私も何か奢ってもらおうかしら?」 「わわっ、伊吹!? いつの間にいたんだ?」 「やっとインタビューが終わってね、ついさっきよ。もう~夏大会に向けての抱負とか、シュッちゃんとの関係とかいろいろ聞かれてねー。長くなりそうだから途中で抜け出してきちゃった。ワカナも疲れて眠っちゃったしね」 上着のポケットでスヤスヤ寝息を立てるワカナを、伊吹は愛おしそうに撫でている。いや、途中で抜け出したって……それって終わったって言わないだろう。 呆れるシュンに対し、伊吹は「まあ、人気者の特権みたいなもんよ」と気にせずケラケラと笑っている。 「でも、今日はシュッちゃんに奢ってもらわなくてもいいわよ」 えっ、とシュンが顔を上げる。そこでは伊吹と由宇、ふたりがやさしく微笑んでいた。 「簡単な話です。今日一番の功労者はシュン、あなただからですよ」 ゼリスまで当然といった顔でシュンを見上げる。 いや、でもどちらかと言うと僕は足を引っ張ってばかりだったはず。そもそも試合で一番活躍していたのは伊吹とワカナだった訳で…… 「な~に言ってるのよ。決勝戦を勝てたのは、シュっちゃんの作戦があったからでしょう?」 「……偶然だよ。たまたまうまくいっただけで、みんなのフォローがなかったら成功しなかったって」 伊吹にそう言われても、シュンとしては今回の大会は反省することばかりだったのだ。 作戦にしたってシュンはアルミフォイルを〝チャフ〟にするアイデアを思いついただけで、成功したのは伊吹とワカナによる陽動や、ゼリスの判断が的確だったからだ。シュン一人で成し遂げたものではない。 シュンがウジウジと悩んでいると、不意にゼリスが彼の頭に飛び乗る。かと思うと―― 「――っ!? いってー!」 額に強烈なデコピンが炸裂した。 「いつまで悩んでいるのですか? もっと堂々としていればいいのです」 痛みを堪えつつ目を開けると、エメラルドの瞳と目が合った。 「……何もかもひとりでやろうとする必要はないでしょう? 仲間同士で助け合い、長所を合わせ短所を補い合った方が効率的というものです」 ゼリスらしい単刀直入な理攻めだった。まあ、確かにその通り。 「それから――」とゼリスは続ける。 「それは神姫とマスターも同じです。足りない部分があったらお互いに補っていけばいいのですよ。少なくとも――」 ゼリスの小さなささやき――それが、突然の闖入者に遮られた。 「ちゃーっす。兄ちゃんたち、ここにおったんやな~!」 「姐御も一緒か。こりゃちょうどええな!」 「あなたたち、どーしたのよ?」 唐突に現れた金町兄弟は、口の端をニッとそっくり同じ角度で持ち上げる。 「帰る前にアイサツしとこう思うてたんや。……今日はありがとうな、負けたけど久しぶりに楽しい試合やったで」 晴れ晴れとした笑顔の兄、笑太。 「前の街は退屈やったけど、これからは姐御を目標に頑張ることにしたんや。よろしくな~」 同じく笑みを浮かべる弟、福太。ふたりとも負けた悔しさを感じさせない、さっぱりした態度だった。 そんな双子の屈託のない笑顔に、伊吹も自然と顔がほころぶ。 「ふふん、挑戦ならいつでも歓迎するわ。また楽しいバトルをしましょうね?」 もちろん、と双子は嬉しそうに返事をする。 「せやけど、お兄さんの作戦には負けたわ。あんな方法でオレらのコンビネーションを破られるとはなあ、仰天したで!」 「シュン兄ちゃんも、今度はシングルバトルで勝負しようや!」 ふたりのキラキラした眼差しに、なんだかシュンまで嬉しくなってきた。 「ああ! また一緒に試合しような」 シュンの返事に満足そうに頷くと「じゃあ、また会いまひょ~」と言いながら金町兄弟は帰って行った。 去り際に「次は負けへんからな」と啖呵をきるアテナとそれを抑えるリアナを見送りながら、ゼリスもどこか嬉しそうだ。 「さて……あたしたちもそろそろ帰りましょうか?」 「えぇ? このケーキ食べ終わるまで待ってよー」 見送りが終わって伊吹がそう切り出すと、一緒にニコニコしていた由宇がとたんに慌て出す。 「……ユウちゃん、半分手伝ってあげよっか?」とチェシャ猫のように笑う伊吹。 「だめー」と皿を持つユウの手を、いつの間にかテーブルに戻ったゼリスがつつく。「私が手伝ってもいいですよ?」 ギャーギャーと姦しく騒ぐ三人を眺めながら、シュンは思う。 さっきゼリスが呟いた言葉。シュンにはしっかりと届いていた。 (少なくとも――私はシュンのことを必要だと思っていますよ) なんのことはない。シュンの悩みなど、ゼリスはとっくに気づいていた訳だ。 その上でスタンドプレーにも走らずに、彼女はバトル中ずっとシュンの指示に従って動いていた。 ――シュンのことを信頼してくれていたから。必要だと思っていてくれるから。 ゼリスは、それをずっと行動で示していた。 ならばこれからは、シュンも行動で示していけばいい。 (自分に何ができるか――じゃない。ゼリスのためにできることをやるんだ!) ゼリスがシュンのことを必要だと思ってくれるなら、シュンはゼリスのために今の自分ができることを見つけていこう。 神姫がマスターを信じて戦い、マスターは神姫のために最大限のバックアップを行う。 もとより神姫バトルとは、そういうものなのだから――。 かくして少年と彼の神姫は、新たな一歩を踏み出し始める。 今は小さな波紋に過ぎないそれが、この摩耶野市に集う神姫とマスターを巻き込んで、より大きな波紋となって疾走してことになることを、彼らはまだ知らない。 ……To be continued Next Phase. ▲BACK///NEXT▼ 戻る
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神姫ちゃんは何歳ですか?第二十九話 奇跡、偶然、それとも…? 書いた人 優柔不断な人(仮) 『新年、明けましておめでとう御座います』 といった挨拶も終わり、特にする事も無く家でゴロゴロしている俺達 去年の正月はユキと二人だけだったのだが、今は観奈ちゃん、皐月、水那岐、ミチル、ムツキちゃん、花乃ちゃんにひじりん、そしてティールにファロンとかなりの大所帯となっていた 親父が遺してくれたこのやたら大きい家に感謝しないとな 台所で片づけ物をしているユキと水那岐とティール リビングでお笑いの特番を見て笑ってる皐月とムツキちゃんとファロン ノーパソを広げ、なにやら難しい顔をしながら打ち込んでいる観奈ちゃんとミチル 「お、観奈ちゃん。宿題?」 訪ねてみる俺 「ケンシロウ、宿題なぞとっくに終わってるぞ」 「あれー?んじゃ?なにやってるの?」 そんな観奈ちゃんの返事をわきで聞いていた皐月が振り返って訪ねてきた。どうやら番組の方はあまり好きじゃない芸人になったようだ 「次の大会の日程がズレるかもしれないとの事なのじゃ…」 街場の小さな大会なら日程が変更になってしまう事も少なからずある が、観奈ちゃんが出るような規模の大会で変更になるなんて事は滅多に無い 「あー!この前あった事故のせいじゃない?」 「あの事故か…」 「年末の大会のフィールド陥没事故の影響じゃな。検査を行って安全性が確認されるまで設営工事が中断されるとの事じゃ」 リアルフィールドで行われるリアル戦でのフィールド崩壊事故は、実は結構発生している 勿論、ビル破壊程度の損壊程度ならば想定内のことだが、床(ここでいう床とは、フィールド基部の事)が抜けたり、防護スクリーンが割れたりといった本来壊れないように作ってある物の事である 「あの事故って、手抜き工事が原因だったってニュースで言ってたわよね。しかも隅っこの方がちょっと沈下しただけだったのに…」 「仕方無い事じゃ。万一その手抜きでもっと大きな被害が出たら大変じゃからな」 「被害って…あっ!ごめん…」 観奈に謝る皐月 実は観奈はその手抜きが原因でフィールドそのものが崩壊し、ミチルが中破・対戦相手は再起不能になるという事故に巻き込まれた事があった 「皐月殿が謝る事では無い。それより、これで延期してしまうと、わらわのような学生オーナーはともかく、社会人オーナーで参加出来なくなる者が続出してしまうのが…」 と話してると、ファロンが割り込んできた 「え?ミチルかーちゃんって、バトルするん?」 「そうなのだ。こう見えても日本でもトップクラスなのだ!」 えっへんと胸を張るミチル 「すげー!見てみてぇ!」 「私も見てみたいです」 ふと気づけば片づけ物が終わったのか、ティールも戻ってきていた 「ふむ、それならこの間の大会のが、コレに入ってるぞよ」 ついっとノーパソを指す観奈ちゃん 「あ、それならテレビに繋いで見ません?」 「いいのか?この後『果糖機関』が出てくるぞ?」 「う…いいんですっ!可愛い娘の為です!…あとでルンルン動画で見ます…」 グっと拳を握り、涙しながら言い切る皐月 「…アップされるといいな」 「ありがとう、皐月ママ」 「さっすがかーちゃんだぜ!」 という訳で、俺達はこの前の大会でのミチルの闘いを鑑賞する事になった 「すげーミチルかーちゃんすげー!」 「ママ…すごい…」 相手の神姫は、自分が何型かわからなくなる程の重武装を施し、的確な弾幕を張って主導権を握るタイプだったようだ さすがのミチルもこの防御を突破するのは困難を極めたようだが、リロードの為にわずかに弾幕が薄くなった瞬間を狙って急接近し、空牙を叩き込み勝利した 「あたいもバトルしてみたいなぁ…」 「私も…」 やはり武装神姫の本能なのか、二人共バトルに興味があるようだ まぁユキやムツキちゃんみたいにバトルに興味無い方が珍しいのだが 「んじゃ、明日『エルゴ』に行ってみるか。二人を日暮さんにも会わせたいしな」 「「わーい」」 「…そう…ですね…二人を…見れば…日暮さんも…きっと…喜んで…くれます…」 という訳で、俺達は明日、エルゴへと向かう事にした 一方、皐月は 「…一体、相手神姫は何型だったのかしら?」 と首を傾げていた 「いらっしゃーい…あ、香田瀬さん。あけましておめでとうございます」 エルゴに来た俺達を出迎えてくれたのは、うさ大明神様ではなく、秋月兎羽子さんであった …まぁ同一人物なのは知ってるけど、皐月達には内緒だ 「あ、兎羽子さん、明けましておめでとうございます」 「やぁ香田瀬さん、今年も宜しくお願いします」 「こちらこそ、宜しくお願いします」 奥から出てきた日暮さんにも新年の挨拶をする 一通り挨拶が終わった所で 「この子達があの二人か。えーと、ティールちゃんとファロンちゃんだっけ?」 「ああ、そうだぜオッサン」 「あの…何で私達の名前を知ってるのですかおじさん?」 グサグサっと、何かが刺さったような音がした気がした 「香田瀬さんから、二人が無事に起動したってメールを貰ったのですよ。その時に名前も教えて貰ったんです」 なにやらヨロめいている日暮さんに代わって兎羽子さんが答えてくれた 「…しかし、二人とも無事起動してなによりだ…」 どうにか立ち直り、二人をマジマジを見つめる日暮さんは 「あの…恥ずかしいですからそんなに…」 「ん?なんだ?あたいのないすばでぃにメロメロなのか?」 恥ずかしがるティールと、大きなの胸を揺らすファロン 「あ、ゴメン」 と顔を赤くしながら目線を逸らす日暮さん 「ダメですよ。女の子をそんなにジロジロ見ちゃ」 「なんか兎羽子さん、怒ってません?」 「いや…二人の素体が、通常のとも白雪系とも違うみたいだったからつい…」 さすが日暮さん。一発で見抜いたようだ 「残念ながら、素体の方は殆どダメだったから、タブリスに換装したんですよ。本当は出来るだけ残しておきたかったのですが…」 「タブリス!これが!新型の!」 タブリスと聞いた瞬間、日暮さんは再び二人を凝視した 「あの…恥ずかしい…」 とモジモジするティール 「やっぱアタシに興味があるのかオッサン」 と色々ポーズを取り始めるファロン 「すげぇ!こんな滑らかに!可動範囲もこんなに!」 うーむ、色んなポーズを取る丑型神姫とそれを見て興奮する男 分かっていてもちょっとアレな光景だ 「ほーら、こんな…あ」 ぽろっ さすがに無茶なポーズを取りすぎたせいか、インナースーツから胸がこぼれてしまった 「おおっ!」ぶはっ! 今まで『タブリスという製品』としてファロンを見ていたがのに急に『女の子』としての面を見せられた日暮さんは、鼻血を吹いてひっくり返ってしまった 「なんだオッサン、純情だなぁ」 腰に手を当て、カラカラと笑うファロン 「だ、ダメだよファロンちゃん。女の子なんだからもっと慎みを持たないと」 慌ててユキが窘めるも 「いーじゃん、減るモンじゃないし」 とまるで効果無し ユキがスーツ上げて胸を納めるも、ファロンが胸を張ってる為、再び露わになる 「…こりゃインナー買い換えないとな。兎羽子さん、もう少し大きなスーツあるかな…?」 「え…あ、はい」 なんか兎羽子さんが羨ましそうな顔をしてたのは気のせいだろう …たぶん 「んじゃユキ達はティールとファロンの服を見てやってくれ」 「え?私も?ファロンのだけで良いのでは?」 「ティールだってユキ達のお下がりだけじゃなくて、自分の服が欲しいだろ。行って来い」 「は、はい!」 嬉しそうに返事をするティール ユキ達がティールとファロンの服を選んでる間に俺は日暮さんと話をする事にした 「…それじゃあやっぱり、素体はほぼ全損だったのか」 「ええ。素体中枢も26・37チップが逝ってましたので交換を。あと8・16回路に損傷があったので修理を」 「よくまぁそんな所を直せるもんだ」 「…それと、奇妙な事があったんです」 「奇妙な事?」 「あの子達、覚えてるんですよ、あの事を」 「あの事って…まさか!」 「視覚回路は繋がってませんでしたからおぼろげではありますが、事故の事を知ってます」 「そんなバカな!CSCも入ってない、電源さえも入ってない状態でか?」 「…電源はありました。あの子達をボロボロにした家庭用電気が。それで一時的に仮起動したのだと思います。その時に『本能的』に致命的なダメージを受けないように自ら回路を切断し、重要チップを保護したと考えられます」 「…信じられん…」 「壊れた回路の先にはCSCシステムがあります。もしそこに、回線内から高電圧を受けてたら…」 「完全に、終わりか」 「…今回の事は、EDENも興味を持っています。単なる偶然とかで片づけるには納得出来ない点が多すぎます」 「だろうな」 「ですので、この事は内密にお願いします」 「だったらなんで俺に話したんだ?」 「…日暮さんも知りたいでしょうから。何故彼女達が助かったのか。それに貴方も当事者です。聞く権利はあります」 「そっか、ありがとな。聞かれなきゃ言う必要も無いだろうに」 キャッキャと店内を物色している彼女達を見ながら、俺達は暫く話を続けた 服を選んでいたはずだったが、いつの間にか武装コーナへと来ていた 「うへーっ、イッパイあるなぁ」 感嘆の声を上げるファロン 「パパの部屋よりもたくさんの武器があるんですね」 とティール 「そりゃ、お兄ちゃんの持ってるのは研究用のだけだから、お店とは比べられないよ」 「あっちに試用コーナーがありますね」 とムツキちゃん 「二人とも、試してみるのだ」 何時見繕ったのか、いくつかの銃や剣の試用品をカゴに入れたミチルが言った 「「はーい」」 試用コーナーでミチルから剣を渡され試し振りをするティール 「とりゃぁ~」 可愛らしい声とは異なり、なかなか鋭い剣さばきを見せるティール 「うわ~っ、ティールちゃんすごい~」 と喜ぶムツキとは異なり、難しい顔をしているミチルとユキ 「よっしゃ。次はあたいだな。せいっ!はっ!」 渡された短銃をビシッと構えるファロン 「きゃ~!ファロンちゃん凛々しい~!」 とまたしても喜ぶムツキと、またしても難しい顔をしているミチルとユキ 「…どうしたんですか、二人とも?」 ムツキは怪訝そうな顔をしているミチルとユキに訪ねる 「うん…悪くは無いんだけど…なんか、ね」 「まだ基本プログラムだから…だけじゃない?…なんか違和感があるのだ」 ユキとミチルだけでなく 「ですわね。基本プログラムは直ってるはずなのですが…」 「なーんか、ピっと来ないんだよねー」 花乃と火蒔里までもが首を傾げてる 「もしかしたら…」 とミチルが言いかけたその時 「お前達、何をしている?」 と声をかけられた 声のする方を向くと、そこにはセイレーン型神姫がいた 「何って…服を選んでるついでに武器を見に…」 「キャッキャウフフ仕様の連中が、武器を見てどうしようって言うのだ?なんだそのヘッピリ腰は?」 「ふ~ん。あたしを見てキャッキャウフフ仕様とは」 「お前なんか知らん。ここでは見かけない顔だな。悪魔型は口が悪いというのは本当のようだな…なんだその笑いは」 少なくともファーストクラスでは見かけない彼女。それなのにミチルを知らないという理由は 裏バトルで馴らしている為に、表での高LVランカーのミチルを倒して名を上げようとして知らないと挑発している まだ始めたばかりでランキングまで知らない のどちらかである ミチル程になれば、見れば相手がどの程度の実力があるかは大体分かる。彼女は後者だ セイレーン型の口調に失笑するミチルに、当のセイレーン型ご立腹のようだ 「き…き…貴様ぁっ!」 今にもミチルに殴りかかりそうなセイレーン型。すると 「エル、何を騒いでいるの?」 とまた別の声がした 「あっ、リーゼ…」 セイレーン型-どうやエルと言うらしい-が声のする方へと振り返る そこには人魚型神姫が居た 「いやコイツラが試用コーナーを占拠してたから…」 そう言われ辺りを見渡す人魚型-リーゼ- 可愛い服を着た天使型と猫型。微妙に武器を持つ手が様になってない丑寅。そしてあきれ顔をしている悪魔型 「…全く、愛玩用にコーナーを占拠されたぐらいで騒がないの」 「む、むう…その通りだ。すまん、リーゼ」 「判ればよろしい」 リーゼに頭を下げるエル 「ってちょっとまて!」 そんな二人を怒鳴りつけるファロン 「あら貴方達、まだ居たの?」 「謝るんあら、あたい達にじゃ無いのかよ!」 「エルは『愛玩用に場所を占拠された程度で騒いで私に不愉快な思いをさせた事』を謝ったのよ。貴方達愛玩用に謝る事なんて、何もないでしょう?」 「ムッカー!なんだコイツ等!大体アタシ達は愛玩用じゃねぇ!」 「あらあら、とてもそうには見えませんけど?特に貴方の銃裁き、まるでなってません事よ?」 「そんな事言っても、私達まだ起動したばかりで、初めて武器を持ったのですから…」 ティールもおどおどしながらも抗議の声を上げる 「基本プログラムだけでももうちょっとマシな動きをするだろう。お前達どっかおかしいんじゃないか?」 エルのこの言葉が、二人を完全に怒らせた 「な、な、てめーら!あたい達だけじゃなく、親父とかーちゃん達までバカにしたな!ぜってーゆるさねぇ!」 「そうです!パパとママの悪口なんて、私、許せません!」 「な、なんですか貴方達は…で、許さなかったらどうするつもりなのです?」 二人の気合いにちょっと驚きながらも平静さを装いつつ訪ねるリーゼ 「てめーらに、決闘を申し込む!」 続く…